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着工前の工事会社との打ち合わせ ~タイル、塗装色サンプル等の確認~

タイルの張り替えに際し、実際のマンションに使用されているタイルのストックはない、または十分に保管されていない場合が多いといえます。
張り替えタイルを準備するには、①形状・色彩・質感が近似した市販のタイルで対応する②既存タイルに色・柄を合わせたタイルを新たに特注して焼成する、という2パターンに別れます。
近似したタイルはメーカーが常時在庫として持っている場合もありますが、10年程度で廃盤となるため、既存のマンションのタイルと全く同じタイルはないものと考えた方がよく、一般的には特注タイルを使用して施工することになります。
また近似タイルを使用することで工事費は約50 ~ 80万円節約できますが、タイルの色が違うため、張り替えた部分が分かりやすく、マンションの価値を下げる要因になる可能性があります。
数千万円~数億円をかけて行う大規模修繕工事ですが、特注タイルを発注しても数十万円です。工事費からすると数%。マンションの価値を下げないためにも特注タイルの使用をおすすめしています。
 着工してから約半月~1カ月で補修工事に入り、タイルが必要になります。このため、特注タイル制作の準備は数カ月前から行うことになります。
 見本焼きが繰り返されると再制作に時間がとられます。仕上がりの向上につながるためにも、着工前に管理組合と工事会社の打ち合わせを行い、早めの準備をしておきたいものです。

(大規模修繕工事新聞 119号)

予算の削減等で近似した市販のタイルで対応すると、外観の見栄えが悪くなる

見本焼きの例

着工前の工事会社との主な打ち合わせ
◆契約書の確認と調印の日程
 ・契約工期
 ・請負金額と支払い条件
 ・アフターサービス
 ・完成保証と瑕疵保険
 ・調印日の日程 etc.
◆工事説明会資料の確認と日程
 ・工事内容
 ・仮設計画と工程
 ・居住者への注意、お願い事項
 ・バルコニー、専用庭の片付け
 ・工事説明会の日程と会場 etc.
◆近隣へのご挨拶の確認
 ・あいさつ範囲
 ・あいさつ文の内容確認
 ・あいさつの際、管理組合の立ち会いの有無
◆仮設計画の確認
 ・足場設置個所の確認
 ・現場事務所、トイレ、倉庫等の位置の確認
 ・資材搬出、搬入経路の確認
 ・植栽置き場等の設置場所の確認
<取材協力:シンヨー㈱リニューアル事業本部>


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