「知本主義」のすすめ
NPO日本住宅管理組合協議会/集合住宅管理新聞『アメニティ』2019年12月5日付第447号「論談」より
◇ これからの50年に向けた覚悟
去る10月18日に都内のホテルにおいて、NPO日住協創立50周年記念「講演会」「祝賀会」を開催し、会員管理組合・賛助会員・協力技術者など多くの皆様にご参集いただいた。心からお礼を申し上げます。
祝辞では共通して、「次に向かうべきNPO日住協の覚悟」を求められ励まされた。それに応えるために、「知本主義」といった組織展開をさらに進めたいと考えている。
資本主義はお金が必ずからむ。ここでいう知本主義とは、知識・知恵を相互に循環し合うという意味合いである。
50年前、団地の課題や問題には共通したことが多く、それをみんなで解決するという方針の下に、管理組合によってNPO日住協は組織化された。
「上から下へ」の教条的働きかけではなく、同じ立場、価値観や共通認識を抱く管理組合が、情報や意見を交換・共有し合うことで見えてくる景色によって視野を広げ、課題の解決方法が明確になったり、実は課題や問題の深層が別のところに存在しているといったことも見える。
◇知本は減らずに増えていく
管理組合は得た知識やスキルを、他の管理組合に循環させたい。
その管理組合はそれを倍加させるようにして別の管理組合に影響を与える。知本は減ることがないし、むしろその場(情報提供と議論など)で新しい発見を見出すことも多く、「知る」「わかる」「教える」「新たな発見」といったサイクルが必ずといってよいほどあり、知本主義では知本はストックするだけでなく、フローすることで大きく増やすことができる。
以上が知本主義であり、NPO日住協存在の基でもある。管理組合相互の結びつき・絆は、管理組合の運営にとって不可欠であり、その接点としてのNPO日住協の役割は今後もますます重要であることを、祝辞のエールからうかがえた。
これからの50年の覚悟を達成するために、会員管理組合およびステークホルダーの皆様のご理解・ご鞭撻を賜りたく、今後ともよろしくお願いいたしま
す。
(NPO日住協論説委員会)
(大規模修繕工事新聞121号)