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マンション再生マニュアル作成 2戸1住宅化で狭さ解消へ

マンション再生マニュアル作成2戸1住宅化で狭さ解消へ

NPO日本住宅管理組合協議会(NPO日住協)内に設置したマンション管理総合研究所では平成20年から、国土交通省・国土技術政策総合研究所と「2戸1住宅化による狭さの解消」について共同研究を進めてきました。
これにより平成22年12月、研究報告のシリーズ〈Ⅰ〉として『バルコニー通行方式による複数住戸の一体的利用・導入ガイド』を刊行。平成25年3月、シリーズ〈Ⅱ〉として、戸境壁の開口方式に焦点をあてた研究報告『戸境壁開口方式による2住戸の一体的利用導入ガイド』をまとめました。
戸境壁の開口について、構造強度の研究に基づく標準施工仕様、さらには2戸1住宅化する場合の管理規約等の手当て(改正条文例)の研究成果が掲載しています。

狭小住宅の面積を拡大することでファミリー世帯の定住化を促進

昭和40年~ 50年代初期に建設された中層共同住宅では住戸面積が50㎡程度と、現在の居住水準からみると小規模な住戸が少なくありません。こうした団地では高齢化が進み、空き住戸も増えていくと予想されています。
そこでファミリー世帯の定住化を促進し、マンションや団地内のコミュニティーの活性化を図る観点からも、住戸面積を拡大するニーズが高まり、「2戸1改修」、つまり2住戸の一体的利用が求められるようになってきています。

ただし、2戸1改修は、建物の主要構造部である共用部分の壁等を改修することにもなることから、個人で勝手に行うことはできません。管理組合が建物構造上の事前調査を行い、ルールを決める必要があります。ハード面とソフト面の準備が整わないと改修は実施できないのです。

<2戸1改修の検討内容>
① 構造安全性(耐震安全性)の観点からみた2戸1改修実施の可能性の判断、開口形成の範囲や程度、構造補強の方法等に関するルールの規定
② 2戸1改修を可能とする管理規約の改正(整備)の考え方、2戸1改修の実施後の管理規約の改正や登記等に係る手続き

<戸境壁開口方式の基本改修>

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「建物管理全体の利益になる」ことが前提
将来の戸境壁の開口部を含め一括総会決議

NPO日住協が研究をまとめたのは、戸境壁開口方式による2戸1改修です。
管理組合としては、戸境壁開口方式を準備・導入するにあたって、建物調査や構造計算等を行い、実施できるかどうかを確認しなければなりません。
団地再生のための2戸1改修ですから、「建物管理全体の利益になる」ことを総会で確認し、その上で調査等にかかる費用を修繕積立金から支出すること決議も必要となります。
次にルールの決定です。開口部の仕様作成、共用部分の変更に関する管理規約の改正を行い、戸境壁の開口工事可能全個所、将来実施される戸境壁の開口部を含め一括して総会決議を行う必要があります。
総会決議を行っておけば、その後は理事会承認で実施が可能になります。
実施は、各住戸の所有者によって行ってください。

<戸境壁開口方式の原則>

① 階段を挟む2住戸は将来的に戸境壁開口方式改修が可能であること(構造計算による開口新設可能範囲内)
② 戸境壁に出入り口を設ける場合の補強等の改修工事が、戸境壁開口方式改修を行う当該住戸の範囲内で完結すること(他の専有・共用部分に影響を与えない)
③ 改修後の所有権は『2つの区分所有権』のままとし、従前の権利関係に従う

④ 戸境壁開口方式を解消する場合は開口部を復旧すること(開口部の復旧については管理組合が定めた方法とする)
⑤ 改修工事および復旧工事に係る費用は住戸の所有者が負担すること(建物の調査・構造計算等による費用は管理組合の負担とする)
⑥ 新たな開口により生じた空隙部分は、その住戸の所有者に専用使用権を認める

『戸境壁開口方式による2住戸の一体的利用導入ガイド』
~「狭さ」を解消して若い世帯の入居を促すために~

NPO日本住宅管理組合協議会/編集・発行
A4判・66ページ
頒布価格3,000円 (税込)51-5
問い合わせ
NPO日住協 ☎03-5256-1241
www.mansion-kanrikumiai.or.jp

 

(大規模修繕工事新聞 2014-3.5 No.51)


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