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「支出を減らす方法」(管理会社変更編)

知らなきゃ損するマンション管理入門

管理組合のおカネにまつわる話⑤
「支出を減らす方法」(管理会社変更編)

kitami-es管理委託費削減に管理会社の変更は有効でしょうか?
現在は既存物件の受託競争も高まっており、複数の管理会社から見積もりを取れば今の委託費よりも安い数字が出てくることが多いと言えます。
しかし、金額面だけを重視していると管理の品質の低下を招く恐れがあります。どの会社も管理会社変更後は頑張って評判のよい仕事をしますが、そのうちに金額に見合った仕事となっていくようです。
このため、管理会社変更イコール管理委託費削減とはいえません。
コストダウンだけで管理会社を選ばないためには、現在の管理会社に対する不満を整理する必要があります。
管理委託費はただ安くしてくれではなかなか下がりません。委託契約書の仕様をしっかり把握し、そのうえで相見積をとって各社を比較・検討することは大いに意味があることだと言えます。
業務仕様書は各管理会社への協力体制や自社ブランド、各社の考え方・姿勢によって大きな違いが出る場合があります。
仕様書には業務の詳細が書かれています。ただ、単純に機械清掃をやめたり、設備点検を月1から2カ月に1回としたり、生活環境が悪い方へ向かうような仕様の変更はしたくありません。

どうしてこういう仕様なのは、他社とはどうしてこう金額が違いのかただしてみるとよいです。
各社の比較表により仕様と金額を指摘すれば、管理会社を変更しなくても十分な「支出を減らす方法」になりえるでしょう。
管理品質を維持する視点を持って対応したいものです。
また、協力会社への費用の支払い方にも違いがあることも述べておきましょう。
一般的に管理会社は、清掃や建物・設備管理業務を協力会社に発注しています。
この場合、支払方法は『定額方式』『実費清算方式』に分かれます。
定額方式は、毎月に等分して支払いを行うのですが、管理会社の監視の目がなければ点検もしていないのに前もって払っているケースがあります。気づかなければ、ただ無駄に費用を払っているだけになってします。
実費清算方式では、業務を実施・報告した後の支払いとなるため、業務の確認が可能になります。
現在の管理会社に大きな不満があれば別ですが、管理委託費の削減を目的にしている場合は、各社サービスの比較をした上でコストダウンになるような進め方を行い、変更か否かは別の検討材料になると考えられます。

(大規模修繕工事新聞 2014-3.5 No.51)


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