「大規模修繕工事新聞」創刊から現在に至るまで、全ての記事をアーカイブ収録していますから、マンションの大規模修繕工事に関する情報やマンション管理組合に関する情報を上の<記事検索>にキーワードを入れるだけで表示させて、必要な記事を読むことができます。

熊本地震5年 被災から学ぶ江戸川区のマンション

熊本地震5年 被災から学ぶ江戸川区のマンション

NPO法人日本住宅管理組合協議会/集合住宅管理新聞『アメニティ』』2021年4月5日付第463号「論談」より

 5 年前の4 月14日、16日未明、震度7の大地震に見舞われた熊本では、半壊、一部損など多くのマンションが被災したが、熊本県マンション管理組合連合会(熊管連・堀邦夫会長)では、今も震災復興に取り組む。そん
な熊本の事例に学ぼうと東京の江戸川区マンション協議会(奥田建藏会長、14組合、4,900戸)がこのほど、熊管連に依頼、「熊本地震で、管理組合はどう対応したか」のテーマで、オンラインによるセミナーを開き、
江戸川区のマンション住民等40名近くが参加した。
 今回のセミナーは、奥田会長らが首都圏にも大地震は起きる可能性はあるとして計画、5年前の熊本地震で多くのマンションが被災した事実を見て、熊管連に依頼、震災復旧に苦労した熊管連も少しでも役に立てればと快諾した。
 熊管連理事の稲田雅嘉さんは、自らの14階建てのマンションの復旧の経過を説明、住民の団結、工事に対する協力体制の大事さ、リーダーシップの重要性などを詳細に説明した。
 奥田俊夫理事は、自らのマンションの復旧の経過を説明したが、稲田さんのマンションは、地震保険が大規模半壊と査定され、7千万円を超える保険金が出たが、奥田理事のマンションは、一部損と査定され、わずかな保険金しか下りず、6千万円近くの借り入れとなった。
 同じ地震保険でも査定により天地の差ほど復旧資金に差が出たが、堀会長は、ほとんどのマンションは一部損などで資金不足になり、復旧工事に苦労したことを付け加えたいとしている。
 セミナー参加の住民は

①実際の被災の状況とリアルな対応を直接うかがえた
②被災直後の状況がわかり、安否確認や2次災害防止がまずとるべき行動とわかった
③日頃の防災訓練と住民のコミュニティがいかに大切かわかった
④学んだことを自分のマンション内で、できるだけ広く伝えたいなどの感想を同協議会に寄せている。
 同協議会は、区内に耐震訓練助成制度が設立されることをきっかけに、平成20年に誕生。耐震問題をベースに管理組合に共通する問題の解決に取り組んできた。今後の活動に期待し、注目していきたい。

(NPO日住協論説委員会)

(大規模修繕工事新聞 137号)


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA