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実りある理事会活動をしよう

実りある理事会活動をしよう
NPO法人日本住宅管理組合協議会/集合住宅管理新聞『アメニティ』2022年8月5日付第479号「論談」より

 「管理組合の理事は、興味ない、やりたくないという組合員が多い」「理事はなぜやらなくてはいけないかをどう説明したらよいか」との相談を受けたことがある。たしかに「専門のことは分からない」「仕事が忙しい」など理事就任を避けたいとの声は多い。
◆管理するのは自分の物
 理事の制度は分譲マンションの仕組みに必然のものだ。
 マンションの入口、エレベーター、廊下、建物の外側はみな区分所有者の共有物である。つまり自分(たち)
のものである。
 だからそれを維持していくためには誰かが管理する必要がある。順番で理事が回ってくるのは十分理由がある。
 誰でもマンションを買ったら、その義務も引き受けたということになる。区分所有法や管理規約に規定があるからではなく、必要だから規定されているのである。
◆理事会は何をするか
 管理組合の業務は、管理する敷地および共用部分等(組合管理部分)の保守、さらには清掃等を行うとされ、その中でも管理部分の修繕、そして長期修繕計画の作成、変更、管理は大事な義務である。しかし、具体的な業務の大半は管理会社に委託している。
 理事は毎月の理事会に出席して発言するとともに、アンケートなど組合員の意見聴取や広報などを担当するコミュニケーション業務が中心となる。
◆自立的に業務を進める
 管理組合は共有者同士の組織だから、いわば運命共同体だ。同時に区分所有者が管理組合の主人公だから、総会や理事会の承認を受ければ、自らの思うとおりに、自立的に業務を進めていける立場にある。
 管理会社の業務のやり方への注文も、お願いではなく、委託者の立場で求めることができる。これらの業務は、誰もが日常生活の延長としてできる内容だから、難しくない。
 しかもその結果は、自分たちの生活に実際にプラスになる。
◆実りある活動へ
 理事の活動は自分のためでもあるからボランティアではない。
 しかし、ボランティアとしての満足感にプラスして、自分たちの日常生活を充実させるものだからいっそう値
打ちある活動だということができる。
 自立した多くの管理組合で、理事が任期を終えて退任のときに「マンションのことがよく理解できた」「自分のためにも有意義だった」との感想も多く寄せられている。
 出発点では疑問や躊躇(ちゅうちょ)があった理事さんが、管理組合活動を進める中で理事会活動の必要性をつかんでいくことを信じ、活躍を期待したい。
(NPO日住協論説委員会)

(大規模修繕工事新聞 153号)


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