人手不足の影響による労務費や・外注費の増加、建材費の上昇などコストアップが顕著となっており、採算悪化を心配する状況が続いている―帝国データバンクは建設業の業界動向調査(2021)からこのように言及しています。
2021年の建設業者の倒産は1,066件で過去最少水準とするも、「破綻リスク先は3年前から倍増し、推計で約2万6000社にのぼる」としています。
◆大規模修繕工事完成保証
工事会社の倒産等による工事中断など、万が一の際に対応するのがマンション大規模修繕工事完成保証です。工事の継続が不可能になった際の進捗状況、支払い済みの工事着工金・中間金を第三者機関が調査し、現場状況の金額に差異が生じた場合の損害を保証します。代替工事会社への支払いが当初の契約金額を超える場合にも保証されます。
ただし、保証料は工事会社(管理会社含む)が負担することになるので、管理組合側から工事会社に申し入れしないと、工事会社は対応してくれません。
◆大規模修繕工事瑕疵保険
大規模修繕工事瑕疵保険は工事完了後、施工部分に万が一瑕疵(不具合・欠陥)が判明した場合、保険金で補修を実施するものです。工事業者が倒産等に至った場合は、保険事故としての認定を踏まえ、発注者の管理組合が直接保険金を請求でき、補修ができる仕組みとなっています。
新築物件の建設と異なり、既存マンションの大規模修繕工事は、任意加入となります。
いずれも加入が任意であるため、管理組合側から工事会社に申し入れしないと、工事会社はやってくれません!
大規模修繕工事において、施工のミスや工事会社倒産等のリスクは確実に存在します。
全建センターでは工事完成保証や瑕疵担保責任保険の欄等を盛り込んだ「マンション修善工事請負契約」をすすめています。
工事完成保証と瑕疵保険をセットで加入することで、理事会や修繕委員会等の精神的負担の軽減が図ることを検討してはいかがでしょうか。
<問い合わせ先>
一般社団法人 全国建物調査診断センター
(一級建築士事務所 東京都知事登録第62699号)
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大規模修繕工事新聞 22-10-154号