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区分所有法見直しへ/「管理と再生の円滑化、財産権の保護」

 葉梨康弘法務大臣は9月2日、区分所有法制の見直しに関する法制審議会への諮問について、閣議後に記者会見を行いました。
 葉梨法相は「管理と再生の円滑化という要請、それぞれの財産権をどう保護していくか、この結論を得るために9月12日開催予定の法制審議会で区分所有法制見直しの諮問をさせていただく」と発言しました。今後、有識者会議「区分所有法制研究会」(令和3年3月発足、座長・佐久間毅同志社大学教授)が論点整理を行い、2022年度中に報告書をまとめる予定です。
区分所有法制研究会における主な検討事項は下記のとおりです。
 建替え決議については、現行の4/5以上を3/4以上または2/3以上に緩和する案。集会決議については、所在不明者や賛否不明の区分所有者がいる場合、管理組合の意思決定として所在不明者等を分母から外し、集会出席者だけの多数決議とする案。空き家となっている所在不明の専有部分の管理に特化した「所在不明専有部分財産管理制度」、共用部分の管理が不適当のために管理不全に陥り、第三者に侵害される恐れがある場合の「管理不全共用部分管理制度」の創設などが検討されています。
 共用部分の損害賠償請求権等の行使のあり方は、59条の競売請求訴訟が提起された後、第三者に譲渡するケースなど、元区分所有者に帰属する請求権等の行使を検討。ウェブ会議システムを活用した集会開催に関するルールについても条文化する検討が行われています。

大規模修繕工事新聞 22-10-154号