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管理組合と税務③消費税 みなし法人にも納税義務あり

管理組合に課せられる税務を、国税(①法人税、②所得税、③消費税)、地方税(④都道府県民税・市町村民税、⑤事業税・事業所税)に分けて解説するシリーズ3回目。今回は消費税について掲載します。
3.消費税
⑴納税義務
 基本的に法人格のない管理組合も「みなし法人」とされ、消費税の納税義務者です。
 ただし、区分所有者が納める管理費、修繕積立金、専用使用料(駐車場、専用庭等)は、消費税が不課税とされます。
 とはいえ、区分所有者以外の第三者が支払う使用料は課税対象となり、その収入の合計が1,000万円を超える場合は納税義務が生じます。
⑵基準期間と課税
 当事業年度の消費税の納税義務は、基準期間=前々事業年度において、課税対象となる売上高が1,000万円を超える場合に発生します。
 例えば、駐車場の第三者への使用料が年840万円(月額1.4万円×50台×12カ月)、携帯電話基地局の設置料が年150万円では990万円ですが、臨時収入(修繕工事で出た資源ごみ回収の報奨金等)の20万円も加わると、合計1,010万円の課税売上高となります。
〈例1〉
 前々事業年度(2021年度)=1,010万円
 前事業年度(2022年度)= 990万円
 当事業年度(2023年度)= 990万円
 当事業年度は納税義務者となる
〈例2〉
 前々事業年度(2021年度)= 990万円
 前事業年度(2022年度)=1,010万円
 当事業年度(2023年度)= 990万円
 当事業年度は納税義務が原則免除され、次年度に納税義務が課される
ポイント!
 ただし、前々事業年度(2021年度)の課税売上高が1,000万円であっても、前事業年度(2022年度)開始日から6カ月(特定期間)の課税売上高が1,000万円超となれば、当事業年度(2023年度)で納税義務は免除されません。

大規模修繕工事新聞161号