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修繕積立金の適正化と管理組合

修繕積立金の適正化と管理組合

NPO法人日本住宅管理組合協議会/集合住宅管理新聞『アメニティ』2024年2月5日付第497号「論談」より


昨年12月の本欄で修繕積立金の適正上げ幅について国交省の検討会で検討されていることを紹介した。今回はそれを受けて、管理組合としてどうすべきかを考えたい。

◆修繕積立金の目的
 基本的なことだが、マンションは12~15年に大規模な修繕工事が必要となり、その時に借り入れや一時金拠出がなくても工事ができるよう、長期修繕計画の支出予定に見合って毎月積み立てられるのが修繕積立金である。
 そのため標準管理規約では、一般管理費とは別に修繕積立金を必ず集め、区分して経理するよう規定している。
 また国交省では、工事時点で資金不足のため追加一時金の徴収や借り入れのないように積立金額のガイドラインを提示しているが、必要額に満たない管理組合は多い。

◆初期設定額の問題点
 その原因は、マンションの販売時、まだ管理組合が成立していない時期に、デベロッパー等が販売政策上から設定した毎月の積立額が低額であることによる。
 デベロッパー等は積立額を多段的に増額する方式をとっているから最終的には必要額に達するはずだというが、販売時に購入者にそれを説明することはしない。
 今日の経済情勢では段階的増額方式は実情に合わず、均等方式にすべきである。
 国交省が業者に強力にその旨の指導を貫くよう求めたい。

◆自立的資金計画
 初期設定時の事情は前記のようなものであるが、管理組合としては、現在の時点で大規模修繕工事時に資金不足が見込まれる以上、自ら自立的資金計画に基づいて修繕積立金の積み増しを行うことが必要である。
 修繕積立金は、一戸建てでの修繕や模様替えに備えて預金をするのと同じ性格であり、その金額の引き上げは、自分のために使う費用の「積み増し」であって「値上げ」とは違うことを組合員(区分所有者)によく説明し、理解してもらう必要がある。
 理事会にはその努力を尽くすようぜひお願いしたい。

(NPO日住協論説委員会)


大規模修繕工事新聞171月号(24-3)