総会(集会)を開く意義を改めて考える
NPO法人日本住宅管理組合協議会/集合住宅管理新聞『アメニティ』2024年5月5日付第500号「論談」より
◆集まって討議する
三人寄れば文殊の知恵という。それよりもはるかに多数の区分所有者が集まり、適切に討論すれば、いい知恵も出るものである。
区分所有法は基本的に集会主義をとっており、年1回の総会(集会)と、そこでの業務報告を管理者に義務づけている。
それは、質疑応答や討論を通じて双方向のやりとりを行うことによって、本当に相互の理解が深まるからである。
文書報告ではいくら詳細であっても、集会をしたことにはならない。
◆説明会には限界が
総会がいたずらに長時間にならないよう、説明会を開く管理組合も多い。丁寧な措置であり、よい努力だと思う。
しかし、説明会を何度やっても、総会の開催とそこでの質疑や討論を省略するわけにはいかない。
それは、区分所有者が理事や他の区分所有者に対して自分の考えを訴え、議案の改善や修正を提案する機会は、総会しかないからである。
◆双方向の交流こそ
総会には討論が不可欠である。
質疑応答だけで意見を求めずに採決する管理組合があるが、望ましくないと考える。
総会は、理事会がいくらよい提案をしたとしても、一方的に組合員に理解をしてもらうだけでなく、組合員の意見や批判、相違・提案などを受け止め、双方向の意思疎通を行い、必要なら議案の改善・充実・修正を行うための場でもある。
双方向の交流をスローガンだけでなく、実効性のあるものに育てたい。
◆議事進行問題など
総会(集会)の議事進行について、ひとこと追加しておきたいのは、議事の主人公は会議に参加した組合員だということである。
管理者(理事長)ではない。
主人公を代表して議長が会議運営をリードするが、議長の運営が片寄れば、参加者は議事進行に関する動議や議長不信任案を提出して運営の改善を図ることができる。
規約で議長=理事長と決まっていても、議長不信任案は可能で、可決されれば会場から議長を選出して議事を行う(NPO日住協論説委員会)
大規模修繕工事新聞174月号(24-6)