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マンション設備まめ知識/排水横引管の勾配は管径で決まる 管径が太ければ緩やかに、細ければ急勾配に

排水系統の分類
 マンションからの排水は、①汚水(トイレ)、②雑排水(台所、洗面所、浴室、洗濯機等)、③雨水(屋根、バルコニー等)に分類されます。
 そして、マンション建物・敷地内では、2通りの方式で排水します。
 雨水管は、汚水管や雑排水管、通気管とは別に雨水専用とする必要があります。
 また、敷地内で雨水排水管を汚水排水のための配管設備に連結する場合は、雨水排水管にトラップますを設置しなければなりません(設置義務)。これは、臭気が雨水排水管に逆流することを防止するための措置です。

重力式排水と勾配
 1階以上の階の排水は、高所から低所に自然に流下させる重力式で排水します。このため、排水横引管には勾配が必要となります。排水横引管の勾配は、管径で決まり、管径が太ければ緩やかに、管径が細ければ勾配が急になります。

 雑排水(台所、浴室等)と汚水(トイレ)の排水横引管では、汚水のほうが固形物を流すため、管径が太くなります。勾配を急にすると水だけが流れて汚物が残ってしまう心配があるためです。これにより勾配は緩やかになります。
 流速は、排水横引管の場合、秒速0.6m ~ 1.5m(給水管は秒速1.5m ~ 2.0m)となるよう、勾配を設けます。
 また、排水横引管も立管のいずれも排水の流下方向の管径が大きくなるよう設置します。


大規模修繕工事新聞179月号(24-11)