安全で安心なマンション環境のために
NPO法人日本住宅管理組合協議会/集合住宅管理新聞『アメニティ』2024年12月5日付第507号「論談」より
最近、闇バイトといわれる強盗事件が続発している。
一軒家中心と思われていたが、マンションが襲われた例も現れており、マンションでも同種の犯罪リスク、脅威を感じている人も多い。
そこで安全で安心なマンション環境のために何ができるかを防犯対策と災害対策について検討してみたい。
◇コミュニティの醸成
窃盗など侵入犯罪の多寡は、よいコミュニティが醸成されているかどうかによって左右されるところが大きい。
住民間の挨拶がよく行われているマンションでは、犯罪を狙う不審者も入りにくい。一朝一夕にできることではないが、管理組合としてまずコミュニティの強化に心したい。
近所で留守の頼み合いまでできるようになれば万全である。
◇防犯カメラ等の設置
防犯カメラの設置や各住戸の窓の強化、錠カギの強化など設備を充実させることも管理組合として考えたい。
一定の費用が必要だが、組合員の中で何が必要かの討議が行われること自体が防犯意識の向上につながる。
◇地震・風水害・火災
災害対策は「地震・風水害・火災」について取り上げたい。
風水害はとくに立地条件によって対応が異なるので、マンションごとに地勢や周辺環境を考慮して管理組合で実情に合わせて対応を検討していただきたい。
災害対策としては、災害発生時の避難と救助、その後の避難場所の確保や日常生活の維持・保障など多岐にわたる。また必要な備品の整備や食料などの備蓄品の準備も求められる。
◇防災委員会の常設化
災害はいつ来るかわからない上、理事会の日常の通常業務ではないので、防災委員会などを理事会の外に(自治会とともに)、常時居住者を中心に設けることが望ましい。
その上で、重要なのは繰り返しの訓練である。
この点では、消火やAEDの使用などについて、消防署の協力も得られるので、随時、避難訓練や救助訓練を実施することが望ましい。
それとともに、居住者の防災意識を高める努力を心がけることが求められる。 (NPO日住協論説委員会)
大規模修繕工事新聞181月号(25-1)