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直結給水と水の管理責任

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マンション給排水設備にまつわる話②
直結給水と水の管理責任

首都圏の各自治体では昨今、受水槽方式から直結給水への切り替えを推進しています。都民・市民に安定した水質の供給を提供できることが大きな理由です。
管理組合にとっても、水槽を使わないことで定期的な清掃やメンテナンス費が不要になるメリットがあります。
直結給水とは
道路の水道管本管から受水槽などを経由せず、直接住戸の蛇口に水道水を供給する方式のこと。マンションでは、増圧ポンプを設置して、中高層階の住戸への供給に対応しています。
おいしい水の管理責任
水質管理について、直結給水方式と受水槽方式では、水道本管から各住戸蛇口までの監督責任が異なり
ます。
直結給水は各住戸の蛇口から出る水の水質管理について、水道局の責任範囲に当たります。

53-13-01 一方、受水槽方式では、受水槽の前までが水道局の責任範囲で、以降は所有者(=管理組合)の責任となります。
受水槽以降は、保健所の指導管轄下にありますが、定期的な水質検査、水槽の洗浄などは、基本的に管理組合の責任範囲となっています。図参照。
災害時用の対策も万全
受水槽方式から直結給水への切り替えをためらう人の中には、災害時の飲料水確保としての役割を受水槽に求める傾向があります。
ただし、住民一人当たり約50リットル(1週間分)を確保する、巡回型の配水池を設ける、地下給水タンクを
各地に設置するなど、自治体によっては災害時の対策は万全だといいます。
貯留する水槽は、水が停滞しやすいこともあり、災害から数日を経た飲料水には注意が必要だと指摘する声も
あります。

次回は、マンションの給水システムについて、まとめてみます。

(大規模修繕工事新聞 2014-5.5 No.53)


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