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修繕積立金は<守り>から<攻め>の検討も 資産運用でも最も賢い選択肢とは?!

  住宅金融支援機構が発行する「マンションすまい・る債」の2026年度募集債券の利率が年2.000%(10年満期時年平均利率・税引前)と発表されました。
 昨年度の利率が0.525%。約4倍の引き上げとなっています。
 昨今、修繕材料費の高騰が著しく、長期修繕計画の見直しごとに修繕積立金の値上げを余儀なくされる事態にありますが、市場金利が上がっている中、新たに積立金運用を模索する流れが起きています。
 ここではマンション管理組合が検討できる主な金融商品を紹介します。管理組合の資産ですから、「元本割れ」は論外です。
 主な対象として、住宅金融支援機構が発行する「マンションすまい・る債」、法人でも購入可能な「新窓販国債」、そして今後管理組合も取得可能になる予定の「個人向け国債プラス」【2026年12月募集分より解禁】の3種類があげられます。
1.「マンションすまい・る債」
「マンションすまい・る債」は、住宅金融支援機構(以下、機構)が発行する、マンション管理組合の修繕積立金運用に特化した10年満期の利付債券です。
○融資金利の優遇/この債券を積み立てている管理組合が、将来「マンションすまい・る融資」を利用して共用部分の修繕工事を行う場合、融資金利が年0.2%引き下げられ、保証料も2割程度安くなるという大きなメリットがあります。
○高い利率(上乗せ金利)/2026年6月時点の例では通常タイプで2.000%(税引後1.6938%)の利率ですが、管理計画認定を受けている場合は**「認定すまい・る債」として2.100%**(税引後1.7784%)という、より高い利率が適用されます。
○確かな安全性/発行体である機構は政府が全額出資しており、その格付けは国債と同等水準の評価を得ています。また、債券自体は機構の財産から優先的に弁済される仕組みとなっています。
○手数料なしの中途換金/初回発行から1年以上経過すれば、手数料なしで1口単位(50万円)の中途換金が可能です。
2. 「新窓販国債」
「新窓販国債(新型窓口販売方式国債)」は、マンション管理組合が従来から制限なく購入・運用できる固定金利型の国債です。
○固定金利制/2年、5年、10年の満期設定があり、発行時の利率が満期まで適用される「固定金利」の商品です。利子は半年ごとに年2回支払われます。
○高い安全性/国が元本と利子の支払いについて責任を持って行うため、安全性が極めて高いのが特徴です。
○資産の保護/口座を開設している金融機関が破綻した場合でも、その権利は保護されるため、預金保険制度(ペイオフ)の1,000万円枠を気にせず運用できます。
3. 「個人向け国債プラス」
「個人向け国債」は、これまで個人に限定されていた販売対象が拡大されることに伴い、「個人向け国債プラス」へと名称が変更される予定の商品です。財務省の決定により、2026年12月募集分(2027年1月発行分)から、法人格の有無を問わずマンション管理組合も購入が可能になります。
○極めて高い安全性/国が発行し、元本と利子の支払いを責任を持って行うため、安全性が極めて高いのが特徴です。万が一、口座を開設している金融機関が破綻しても、元本や利子の受け取り権限は保護されます。
○元本割れなしの中途換金/発行から1年が経過すれば、いつでも国が元本近くで買い取ってくれます。市場価格で売却する一般の国債(新窓販国債など)と異なり、中途換金時でも元本割れしない点が大きな安心材料です(直近2回分の利子相当額の調整はあります)。
○少額からの運用/最低1万円から1万円単位で購入できるため、手元の資金状況に合わせて柔軟に積み立てることが可能です。
4.実務上のポイント
管理組合の資金運用で最も大切なのは「増やすこと」ではなく、「必要なタイミングで、1円も減らさずに引き出せること」です。
すべてを一つの商品に突っ込むのではなく、長期修繕計画をベースに「3年以内に使うお金は定期預金、10年先まで使わないお金はすまい・る債や個人向け国債プラス」といったように、時間軸に合わせた「期間分散」をかけるのが実務上もっとも賢い選択肢と言えるでしょう。

<全建センター・大規模修繕工事新聞論説委員会2026-8-02>

 

大規模修繕工事新聞 2026年8月 200号


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