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『「マンションAI®」活用術⑬「マンションAI®」に相談してみよう!

マンションAI』に相談してみよう!
現在、全建センターの『マンションAI』は数多くのマンションの理事、あるいは組合員からご質問が寄せられ、それに対してマンションAIが回答している、という実例があります。
このコーナーでは、実際にこの数カ月の間に管理組合の皆さんが『マンションAI』を活用されている実例を紹介します。
【監修】全建センター筆頭理事・佐藤成幸

 

Q   

301号室から階下住戸に漏水 が発生したので、301号室の保険適用によって水漏れ調査を行ったところ、浴槽の土台部分のサビが原因だったことがわかりました。土台の交換修理費用は管理組合に請求できるでしょうか?浴槽の土台について、管理規約では共用部分の範囲に記載がありません。


A    

 結論からお伝えすると、「浴槽の土台」の交換修理費用について、管理組合対してに請求するのは、法的な観点(標準管理規約や民法)から見て非常に難しい(原則として自己負担になる)可能性が高いといえます。
請求が難しい3つの理由
1. 浴槽の土台は「専有部分」とみなされるのが一般的
管理規約の共用部分の範囲に記載がないとのことですが、標準的なマンションの区分所有法や管理規約では、「専有部分(個人の持ち物)」と「共用部分(みんなの持ち物)」を以下のように区別します。
・共用部分: 建物の骨組み(スラブと呼ばれるコンクリートの床)、縦に貫通している共有の配管(竪管)など。
・専有部分: 住戸の内側にある内装、設備、および専有部分のために設置された枝管(横引き管)や器具
浴槽およびその土台(架台)は、301号室の居住者が専用で使用している「ユニットバス」という設備の一部(一体不可分の器具)です。
そのため、規約に明記されていなくても、通常は専有部分として扱われます。

2. 原因が「器具の経年劣化(サビ)」であること
今回の水漏れ調査で「浴槽の土台部分のサビ」が原因と判明しています。
もし、管理組合が管理すべき「共用部分(床のスラブや共有配管など)」の不具合が原因で土台が錆びてしまったのであれば、管理組合に賠償や修理費を請求できます。
しかし、土台自体の経年劣化や結露、日常の使用によるサビであれば、その維持管理責任は301号室の所有者にあります。

3. 保険の性質(調査費用と修理費用の違い)
301号室の保険(個人賠償責任保険や建物保険など)で水漏れ調査費用が出たとのことですが、保険の適用範囲にも原則があります。
・調査費用や階下への損害賠償: 保険が下りることが多いです。
・原因となった個所自体の修理費用: 劣化が原因の場合、保険の対象外(免責)になるか、あるいは特約がない限り「自分の持ち物の修理代」は自己負担になります。
同様に、自分の持ち物の修理代を管理組合に肩代わりしてもらう法的な根拠もありません。

4. 今後のステップ・確認すべきこと
①管理規約の「専有部分の範囲」の確認
「共用部分」の欄に記載がなくても、「専有部分」の欄に「ユニットバス一式」や「専有部分に属する設備」といった表記がないか確認してください。そこにユニットバスが含まれていれば、土台も確実に専有部分です。
②スラブ(床コンクリート)や共用配管への影響がないか
今回のサビが「上から(浴槽側から)の漏水」によるものではなく、「床下(共用部)から湿気や水が吹き上がってきたこと」が原因であるといった特殊な事情がないかを、調査報告書でもう一度確認してください。100%専有部分内の結露や水漏れが原因であれば、管理組合への請求はできません。

【まとめ】
今回の土台交換は「個人宅の設備(エアコンや給湯器などと同様)の修理」にあたる可能性が極めて高いため、301号室の区分所有者が費用を負担するのが原則となります。

大規模修繕工事新聞 2026-8月 200号