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工事会社倒産後の 保険継続を制度化

62-6-1

住宅瑕疵(かし)担保責任保険法人の㈱住宅あんしん保証は「あんしん大規模修繕工事瑕疵保険」の商品改定を行い、新規保険契約の引き受けを2015年2月よりスタートします。
商品改定の主な内容は(1)工事会社倒産後の保険継続を制度化、(2)外壁塗膜担保特約、(3)給排水管路工事に係る延長特約10年、(4)太陽光発電設備工事特約5年、(5)手すり・柵・鉄部特約2年など。
また、事業者団体が住宅あんしん保証に登録する認定品質大規模修繕工事制度、団体登録により受けられる事業者登録料・保険料の団体割引についても国土交通大臣の認可を取得しました。

(1)工事会社倒産後の保険継続の制度化について。
現在の商品は大規模修繕工事の完了後に工事会社が倒産し、その後に瑕疵が発見された場合、修補費用が管理組合に直接支払われる仕組みです。ところが工事中に工事会社が倒産した場合、代わりの工事会社に対しては保険契約の引き継ぎが想定されていないという盲点がありました。
瑕疵保険の被保険者はあくまで途中で倒産した工事会社であり、工事を引き継ぐ工事会社を対象とする仕組みがなかったのです。
住宅あんしん保証の今回の商品改定は、この盲点に着眼。業界で初めて、工事中の倒産等によって工事の続行ができない場合、代わりの工事会社が所定の手続きを行うことで保険契約の継続が可能になる商品としました。
代わりの工事会社の選定は管理組合の検討事項ですが、工事会社の斡旋などが盛り込まれた全国建物調査診断センターの「マンション大規模修繕工事完成保証」等でカバーできます。
大規模修繕工事を行う祭には、工事完成保証と瑕疵保険をセットとして検討することで、理事会や修繕委員会等の精神的負担の軽減が図れるといえるのではないでしょうか。

大規模修繕工事瑕疵保険は、保険の対象となる大規模修繕工事において、工事を実施した部分に瑕疵があった場合に、瑕疵
担保責任を負う請負人である工事会社(被保険者)が、管理組合(工事の発注者)に対して生じた損害を補償するものです。
マンションの共用部分工事の際に、その工事を施工する工事会社が保険契約を申し込むことで実施されます。
保険のメリットとして、発注者である管理組合は工事完了後に瑕疵が判明した場合に工事会社による迅速・確実な修補対応
を受けることができます。瑕疵が見つかった場合でも修補費用が保険金請求できるので、管理組合と工事会社間で対立することなく、スムーズな対応が可能です。

今回の商品改定では、基本保険対象部分にある①~⑧項目のほか、(2)外壁塗膜担保特約、(3)給排水管路工事に係る延
長特約、(4)太陽光発電設備工事、(5)手すり・柵・鉄部特約が新設・改定されました。
外壁についてはこれまで、雨水の浸入を防止する部分が保険対象であったり、「タイル剥落に係る特約」で、塗膜部分への
瑕疵担保が新設です。
給排水管路は保証期間の5年を延長特約によって10年としました。
国土交通相の省エネ住宅ポイント制度化もはじまり、太陽光発電設備は保険対象部分の新設です。太陽電池モジュール、パ
ワーコンディショナー等の設備が機能しない場合の瑕疵について補償します。手すり・柵については既存の防錆等の不具合のほか、新設したものが「通常有すべき安全性を満たさない」場合に保険金が支払われることになります。
検査については、第三者である保険法人が現場検査を施工前、施工中、施工後に数回実施します。第三者が検査や瑕疵の判断を行うことで、瑕疵発生の防止にもつながっています。
基本保険対象部分①構造耐力上主要な部分 ②雨水の浸入を防止する部分③給排水管路 ④給排水設備 ⑤電気設備 ⑥ガス設備
⑦防錆工事を行った手すり等の鉄部 ⑧外壁に設置されたタイル(「タイル剥落に係る特約」を付帯した場合に限る)

(大規模修繕工事新聞 No.62)

 


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