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課題は、秀和レジデンスの代名詞 白い塗り壁、青い瓦屋根、鉄製柵

66-2-1課題は、秀和レジデンスの代名詞
白い塗り壁、青い瓦屋根、鉄製柵

 

 

66-2-2 民法から独立して、本格的なマンション法といえる「区分所有法」が施行されたのが昭和37年。その分譲マンション黎明期(40年~ 50年初頭)で「秀和レジデンスシリーズ」といえば、「高級マンション」の代名詞であった。現在でも「ヴィンテージ・マンション」として中古住宅市場でも比較的高値で取り引きされる例もあるそうだ。
独特な白い塗り壁、南欧風の青い瓦屋根、バルコニー鉄製柵…。ただ皮肉なことに、この高級感あふれる様相が改修工事の課題ともなる。
でこぼこの白い塗り壁については、前回大規模修繕工事を請け負った工事会社が近隣に塗料を飛散させて迷惑をかけたという。今回の施工会社であるカシワバラ・コーポレーションは、新しい工具と工法を提案し、特殊な塗り壁に丁寧な作業を施した。上下左右から塗れる工法で一般マンションでは使うことがないもの。塗料も試験施工を行い、「垂れにくい」を基準に関西ペイントの「アレスシリコン」等を採用した。
青い瓦屋根は落下防止が一番の問題で、下地が腐食していないかをチェックするため、瓦をすべて撤去。下地補修を行いその上で新しい瓦と交換した。
バルコニーの鉄製柵の塗装についても、複雑な形態が何本もあるため、ある意味「職人泣かせ」である。鉄部塗装は基本、劣化(錆)部分をケレンしてから、①錆止めの塗布、②耐用性、耐候性等のための中塗り、③日に当たるトップコートとして耐候性等のための上塗りを行う。しかし、昨今の技術革新により、②③を兼ねる塗料を採用することができた。
こうした昔の高級マンションであるが故か、住民の対応がすこぶる穏やか、優雅というのが作業員の感想だという。
現場代理人の赤桐正和さん(カシワバラ・コーポレーション)は今回の工事にあたって「住民の方が皆工事に対する理解があって、日中に在宅される方も多かったのですが、作業の騒音も作業員の出入りも、常ににこやかな対応をしてくださいました。皆さんとにかく優しい。こちらも高齢者等の配慮など、率先して行いましたし、管理組合と施工会社がお互いに協力し合って工事が進んだと実感できる現場でした」と話している。、

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66-2-366-2-466-3-1■設計・監理者:株式会社 三幸設計
横浜市中区本町3−24 本町中央ビル5F
☎045−664−3931
www.sankousekkei.jp
■施工者:株式会社 カシワバラ・コーポレーション
東京都港区港南1−8−27 日新ビル9階
☎03−5479−1402
www.kashiwabara.co.jp

(大規模修繕工事新聞 第66号)

 


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