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マンション専有部分リフォームに係る 管理規約・細則に関する基礎調査

72-15-12-24リフォーム工事における具体的工事項目について

①フローリング規制
2005年以降(建築後10年未満)のマンションでは「制限あり」が約8割となっている。
具体的な数値はLH、LLとも「45」が約7割と多い。また、フローリングの数値以外の基準の具体的な内容としては「カタログ添付」が63%だった。
②サッシ開口部の規制【サッシ本体の変更】
サッシの変更については「リフォーム禁止」33.1%、「承認工事」27.8%など、変更が制限されているケースが多い。ただし、2005年以降のマンションでは「リフォーム禁止」16.0%より、「承認工事」37.0%の比率が高かった。
③サッシ開口部の規制【サッシガラスの変更】
ガラスの変更は「承認工事」33.0 %、「制限なし」16.6%となっている。
ガラスの規制・ルールの条件については、サッシ本体の変更と同様に防犯、防音、断熱、住宅性能向上を条件としているケースが多い。
④サッシ開口部の規制【内窓の設置】
64.8%のマンションが「制限なし」と回答としている。「制限あり」と回答した場合の規制・ルールの条件については、やはり防犯、防音、断熱、住宅性能向上であった。
⑤ 配管に関する規制【水回り設備の移動や配管の更新に関する規制】
「承認工事」としているマンションが38.2%を占めた。具体的に付された条件は、技術的な内容に関するものが多い…「排水勾配の確保」「エルボの数は極力少なく」「配管の材質・強度・管径を現状と同じかそれ以上にする」等。
⑥ 配管変更に関わる穴あけの規制【壁・スラブ等の穴あけについて制限や規制】
壁やスラブ等の穴あけは半数弱が「リフォーム禁止」となっている。承認条件においては「エアコン用スリーブに限る」「位置・工法などの承認」「総会認」「鉄筋検査の実施」など。
⑦ 専有部分内の立ち入りの条文化【住戸内のPSへ管の改修目的等、共用部分改修の目的で専有部分立ち入りの規定】
専有部分内の立ち入りについては、全体の73.1%が「条文記載」と回答している。
なお、立ち入り条文はマンション標準管理規約第23条に一部内容の記載があるが、これでは不十分であるため、「共用部分と構造上一体となった部分の管理を共用部分の管理と一体として行う必要がある場合」という文言を記載しているケースがみられた。
⑧その他の工事項目の規制
項目対象は、「躯体へのアンカー等固定に関するルール」「給湯器の制限」「IHの制限」「電気容量に関する制限」「サッシフィルムに関する規制」。
躯体へのアンカーは、家庭用什器類等の取り付けなどについて「主要構造部に影響を及ぼさない」などの条件をつけているケースがある。
給湯器は、その能力アップについて「可能」73.1%、「不可能」28.7%等。IHも「制限なし」が66.5%と給湯器の制限と似た水準であった。
電気容量は、勝手な容量アップは他の住戸に影響する可能性があるため、承認工事としているマンションが多い。
サッシフィルムの条件は「外観の形状の変更」「美観の確保」などが多かった。

リフォーム細則がないことでトラブルになった事例(抜粋)

【ルール・基準面】
・ 給湯器交換時にMB扉の排気口のサイズを大きくする必要が出た際に取り決めがなかった。
・ インターホンの所有区分があいまいで、共用部分でありながら、区分所有者が交換してしまった。
・IHの追加が全戸可能でない。
【運用面】
・ 細則はあるが、理事会が承認しないため所有者とトラブルになったケースがある。
・ 電気容量を上げる申請書順に容量増加を容認していたので、遅れて申請した人が容量を上げられずにトラブルになった。
【施工面】
・近隣住宅から工事時に発生する騒音の苦情。
・ 間仕切りの変更により、感知器等の消防設備の設置義務の確認が漏れ、違法状態になった。

(コメント)
今回のアンケートでは、全体の26.4%が、「リフォーム【ルール・基準面】
・ 給湯器交換時にMB扉の排気口のサイズを大きくする必要が出た際に取り決めがなかった。
・ インターホンの所有区分があいまいで、共用部分でありながら、区分所有者が交換してしまった。
・IHの追加が全戸可能でない。
【運用面】
・ 細則はあるが、理事会が承認しないため所有者とトラブルになったケースがある。
・ 電気容量を上げる申請書順に容量増加を容認していたので、遅れて申請した人が容量を上げられずにトラブルになった。
【施工面】
・近隣住宅から工事時に発生する騒音の苦情。
・ 間仕切りの変更により、感知器等の消防設備の設置義務の確認が漏れ、違法状態になった。
規則がないことでトラブルになった事例があった」と回答している。
具体的な内容は、ルールが整っていれば回避できるトラブルが多いと考えられる。
報告書
72-15-12-25A4判・96ページ
一般価格5,000円(税抜き

【問い合わせ】協議会事務局 ☎03-3265-4899 //www.repco.gr.jp

 

(大規模修繕工事新聞 2015-12 No.72)


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