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「マンション修善工事請負契約約款」策定!

01「マンション修善工事請負契約約款」策定!
民間(旧四会)連合協定
工事請負契約約款委員会

民間(旧四会)連合協定工事請負契約約款委員会が4月、マンションの共用部分が対象の外壁塗装、屋上防水、給排水管更新などの修繕工事の実情を反映した「マンション修善工事請負契約約
款」を策定、発表しました。
マンションに対する計画修繕の考え方が定着して30年以上経過していますが、これまで工事請負契約書式や約款については標準モデルがなく、新築工事向けのものを代用することが一般的でした。
そこで一般社団法人日本建築学会等の民間連合により、「マンション計画修繕工事請負契約約款協議会」の協力を得て、マンショ
ン修繕工事に適合させた工事約款が作成されたのです。
約款における発注者は、分譲マンション管理組合等を想定しており、管理組合法人あるいは、法人化していない場合は区分所有法上の管理者である管理組合理事長となります。
工事範囲は基本的に改修工事が対象となりますが、駐車場や付属棟などの増改築工事の発生も想定しています。
契約書式モデルには、発注者や受注者、工事場所、工事期間、請負代金、支払い方法、監理業務の委託内容のほか、工事完成保証や大規模修繕工事瑕疵担保責任保険の有無などを書き込む欄等が記されています。
今後、マンションの大規模修繕工事では、この約款をもとにした契約書式が管理組合と施工会社の間で利用されることになります。

1)設計図書類
設計図書類については、最低限必要と思われる、質疑応答書、見積要項書、使用書のみ予め記載し、それ以外については適宜記載するような書式としています。理由は、マンション計画修繕工事の場合、新築工事の場合と違い、必ずしも設計図を作成するとは限らず、柔軟な対応が可能な書式としておくことが望ましいと考えられるからです。
2)工期
工期については、特に「着工」や「竣工」等の名称を記載していませんので、必要に応じて追記してください。
3)請負代金の支払
支払時期については、着工、竣工等のイベント名とするか、具体的な期日とするか等、各工事の実情によって柔軟な使用が可能なように自由記載欄としています。
4)監理業務等の委託の有無
本契約約款においては、発注者が「監理者等」を定めた場合、その業務内容を受注に提示する義務規定を設けています。当該記入欄には、監理業務等の委託の有無と委託先を記入し、詳細な業務内容と責任範囲等は、別紙で受注者に提示してください。
5)部分引渡しの有無
マンション計画修繕工事において、部分引渡しが発生
することは多くありませんが、複数棟で構成されたマンションの計画修繕工事においては、部分引渡しの発生が予想されるため、当該項目を設けています。部分引渡し
が無ければ記載する必要はありません。
6)完成保証
対象工事において、完成保証を付保する場合は、当欄にその内容を記載してください。ただし、完成保証を付保する場合でも当欄の記入は必須ではありませんので不要な場合は削除してください。
7)大規模修繕工事瑕疵担保責任保険
対象工事において、瑕疵担保責任保険を付保する場合は、当欄にその内容を記載ください。
8)契約上引渡すべき図書
「契約上引渡すべき図書」を記載する欄を設けました。
9)契約当事者
発注者欄に記載する際は、分譲マンションの場合は、マンション管理組合が法人格を取得している、いないにかかわらず、管理組合名及び理事長名を記載します。
受注者欄は、法人である場合は、その代表者又は契約締結権限を授権された者(例えば支店長など)が署名又は記名押印します。
10)収入印紙の貼付
工事請負等契約書については、建設工事の請負金額に応じた収入印紙の貼付が必要になります。※個別案件に応じて、具体的な扱いを国税庁に確認してください。(大規模修繕工事新聞 第78号)