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マ ン シ ョ ン 大 規 模 修 繕 工 事 『 設 計 ・ 監 理 方 式 』 を 見 直 す ! !

マ ン シ ョ ン 大 規 模 修 繕 工 事
『 設 計 ・ 監 理 方 式 』 を 見 直 す ! !

 

マンションの大規模修繕工事は管理会社が7割のシェアで受注しているという。つまり、管理組合として「すべて管理会社お任せ」というのが実態であるのだ。
ところが、ここに第三者の視点を入れて工事を行ったらどうなるであろうか。大規模修繕工事の実施には、「設計・監理方式」「責任施工方式」がある。第三者の専門家・設計コンサルタントが入る設計・監理方式も根付いてきたようにみえるが、一部の設計者によって評価が落ちているという声もあがっている。
ここで今一度、設計・監理方式の役割を見直してみようと思う。

設計・監理方式とは…

設計・監理と施工を分離する方式。調査・診断、仕様や工法の検討、工事費の積算、業者選定の補助などを工事業者とは別の設計事務所等に委託し、工事開始後は工事が適切に行われているかを監理してもらうこと。
管理組合と工事業者が交わす工事請負契約の他に、管理組合と委託契約を結んだ設計事務所等が第三者として入ることによって、公平な競争原理が働くなどのメリットが生じる。

責任施工方式とは…

特定の工事業者に設計から施工までを一括して管理会社などの1業者に任せる方式。管理会社を含む複数の工事業者を募集して競争入札を行う場合や、最初から特定の1社を指名して特命発注する方法などがある。
工事の監理については、管理組合ができる範囲で行うか、すべて工事業者にお任せするか。このため信頼のおける工事業者を選定することが大前提となる。

建物調査診断・改修設計について

建物が経年劣化により何らかの不具合を生じるのは道理である。
しかし、その不具合部分を行き届いた調査により発見し、その不具合が発生したメカニズムを確認した上で、同じ不具合が短期間に再び起こることがないように改修設計の使用を作成することが修繕の要といえる。
不具合の原因を確認しないまま、ありがちの仕様で修繕した場合、工事が終わった後の、比較的短期間のうちに故障が再発することがある。

着工前の住民説明会
着工前の住民説明会

建物調査は、その後に行う大規模修繕工事の範囲や仕様を決定する基になるもの。必要な項目を実施し、無駄な工事を行わないために決め細かい調査・診断を行いたい。

そのためには、工事に利害関係のない立場で調査・診断を行うことが必要である。

建物の劣化要因として、注目すべきは以下の3点。
1. 紫外線による劣化や太陽の放射エネルギーによる伸縮
2.雨水による躯体内鉄筋の腐食
3. 地震等による建物の動きに非構造部材が追従できないこと

45-05-01

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

改修設計業務について

大規模修繕工事の目的は、建物を適切に改修し、耐久性や資産価値を高め、維持保全することである。
このため改修設計業務は、既存材料の耐用年数、建物調査診断報告書、管理組合の要望等をもとに総合的に判断して、改修範囲、改修方法、使用材料、部分補修等の
提案を行うことになる。
建物調査・診断の結果から、①必ず実施すべき工事②グレードアップのため実施した方がよいと思われる工事③予算があれば実施したい工事④現時点で実施する必要のない工事等、さまざまな角度から検討(環境面や資金面、建物の長寿命化等)の上、修繕項目、改修項
目および仕様を提案し、大規模修繕工事概算見積書、仕様書、改修図面を作成する。

コメント

あぐらをかく同輩が
設計コンサルタントの評価を落としている
NPOリニューアル技術協会名誉会長
      アワーブレーン環境設計株式会社会長
須 山 清 記 氏

改修設計業務について

近年、設計・監理方式のメリットであったはずの工事業者間の競争原理、検査の独立性などといった効果が見えにくくなってきている。
それは図面を自分で書くことをせず、商売優先で工事業者やメーカーからマージンを搾取する設計コンサルタントが増えてきているからである。
住民説明会などでも説明は工事業者任せというケースもある。図面を自分で書いていれば、工事を開始してからも職人より先に予測ができるはずだ。
工事の作業性が悪いがために進捗状況がよくないといって元請け業者を怒鳴っている設計コンサルタントもいるようだが、業者任せにしているから起こる良い例である。
仕事というものは苦労をして自分で考えなければダメ。設計というポジションにあぐらをかいている同業、同輩が設計コンサルタントの評価を落としているといえよう。


本来、設計・監理方式にはメリットが多い。
調査に基づいた仕様の作成、調査によって判明する不具合個所の数量、工事中の検査など、設計コンサルタントが入ることによってより確実な工事となる。
12年で工事を行った個所が次は15年周期になるなど、いかに長持ちさせるかも設計者の仕事だ。
また、築10年の建物と築30年の建物で仕様がかわるのも設計者の腕。最近ではプロポーザル方式といって、工事業者に工事の手法を提案させて競わせる方式もあるが、管理組合と工事業者のやりとりで成立するはずはない。専門的な第三者がいてはじめて適正な判断ができるといえる。

設計コンサルタント選定において、見積もり合わせを行っている管理組合があるようだが、設計・監理業務は委託契約であり、工事業者の請負契約とは異なる。
金銭面でコンサルタントを決めれば商売優先のお金の流れができてしまう。
設計・監理料は工事費に比べて軽微で、工事業者の見積もり合わせによって設計・監理料程度の金額差は確保できる。
設計コンサルタント選びは、金額競争ではなく、信頼できるコンサルタントに選らんで委託してほしいと管理組合に訴えたい。

45-06-03

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

工程ごとの監理者検査
工程ごとの監理者検査
管理組合、監理者、工事業者による定例会議
管理組合、監理者、工事業者による定例会議

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

工事会社選定のポイント

実際に工事を仕切る現場代理人と、
その支援体制が重要

理事会(修繕委員会)が工事会社を選定するための一連のサポート。これは設計コンサルタントが行う管理組合への補助作業である。
優良な工事会社とは、健全経営・改修工事実績・総合技術力・アフター対応力等の整った工事会社をいう。そんな工事会社の選定では、実際に工事を取り仕切る現場代理人とその支援体制が重要となる。
優秀な現場代理人(仕事の先を読んで工事の段取りができる、作業員に指示通りの作業をさせることができる、居住者対応が的確で早い)には、優秀な職長や作業員がついていることが多く、現場の良し悪しは代理人で決まるといっても過言ではない。
適正な見積もり金額とは、必ずしも最も安い金額ではなく、設計仕様を確実に施工するためのバランスのよい内訳単価に基づく。実態が浮かび上がるような資料(工事会社選定比較表等)を作成し、また工事会社選定の重要なポイントとなるヒアリングに立ち会い、アドバイス
を行う。

工事会社選定補助の内容
①見積もり参加案内書の作成
②現場説明書の作成
③現場説明会(現場の説明、各仕様の説明)
④設計図書等の質疑・応答の作成
⑤見積もり合わせの比較資料の作成
⑥見積もり合わせ資料の作成
⑦工事会社ヒアリングの立ち会い
⑧工事契約書作成の指導

45-07-01

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

設計・監理コンサルタントの紹介

一般社団法人修繕設計会社紹介センターは第三者としての立場で、中立・客観的に業績等を参考にしてマンションの修繕設計のできる設計事務所を選定し、管理組合に紹介する機関です。
そもそも修繕を専門とする設計事務所は会社規模の小さなところが多く、大々的な宣伝や広告、PRをしていません。ほとんどが口コミで知られる程度で、マンション管理組合にとって圧倒的に情報が不足しているのが現実です。
こうした実状から、「将来的に大規模修繕工事を計画予定の管理組合にはぜひとも修繕設計会社紹介センターを通して心強い修繕工事のパートナーを見つけてほしい」という声が業界からも上がっています。

修繕設計会社紹介センターを通せば、会費や紹介料は不要です。
「マンション名・住所」「築年数」「戸数・階数」「設計事務所への希望事項」「ご担当者名」などの事項を教えていただければ、後日紹介会社をご連絡いたします。

●問い合わせ先
一般社団法人 修繕設計会社紹介センター
〒102−0045 東京都築地1−9−11−906
☎03−6278−8170 FAX. 03−6272−5468
E-mail:tatemonochosa@gmail.com
URL www.syuzensekkei.net

(大規模修繕工事新聞 2013-9.5 No.45)

 


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