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役員さん、大規模修繕工事の備えは十分ですか?①

全国建物調査診断センター
管理組合役員勉強会を開催
約30人が参加
9.22東京・京橋 住宅あんしん保証本社会議室

9.22管理組合役員勉強会を開催
9.22管理組合役員勉強会を開催

全国建物調査診断センターが9月22日、東京・京橋で行った管理組合役員勉強会「役員さん、大規模修繕工事の備えは十分ですか?」を数回に分けて掲載します。
勉強会第1部は「大規模修繕、知らないと損する『失敗の研究』」と題して㈱リノシスコーポレーション(1級建築士事務所)の佐藤成幸常務取締役が、第2部は「目からウロコ!?それぞれのマンションに最適な排水管工事の工法とは?」と題してマンション設備改修専門会社である㈱スターテックスタッフが講演を行いました。
当日は30人を超える管理組合の方々が参加。質疑応答も盛んで予定の時間をオーバーする反響でした。これを受けて12月15日㈰に続編となる勉強会の企画を進めています。新聞46号裏表紙を参照のうえ、(会場のキャパシティに限りがあるため)早めに参加申し込みをお願いいたします。〈16ページ参照〉知らないと損する『失敗の研究』
2回目の大規模修繕工事でコンサルタントを任された際、「前回の工事は失敗だった」という話を聞くと、それにはいろいろな特徴がありました。
46-04-2 まず理事や修繕委員の間でもめ事に発展して気まずい生活になること。工事の対応が原因で陰口になってしまうなど、人間関係にカドが立ちやすいというケースがあります。
それから「挽回できない」ということがあります。失敗が表面化すると、再度のスケジュールを構築する金銭的余裕・期間がない、何よりメンバーのやる気がなくなってしまうという問題が出てきます。事業として行うわけではないので、挽回をするという方向には向かいません。
次に「表沙汰になりにくい」。施工会社の不手際を「表に出してやろう」という軽々しい行為をとる人もいますが、実際に裁判を起こすことになると、「欠陥マンション」が表に出て資産価値が低下する、と。そういうことから係争を敬遠し、そのうち理事が交代して事案は風化し、結果として「あきらめる」ことになるようです。
4つ目は「そもそも気がつかない」。2回目、3回目の工事の前に調査するととんでもない手抜きが出てくることがあります。そもそも工事品質に知識がないので、失敗品として気がつかないのです。
タイルの下地補修が意図的に手を抜いているケースがありました。足場をかけて検分しないとわからない個所が、10数年後の工事で明らかになることもあるのです。
最後に「次も同様になりやすい」。同じような人員構成とか、物事の手順の仕方を考えていくと、取り組みのどこに問題があったのか、当事者が正確に判断できないことから、同じ失敗を繰り返しやすいということになります。
そうすると、何かあるたびに「揉めるマンション」として有名になっていくケースもあるようです。
大規模修繕工事の流れの各段階でどういう失敗に陥りやすいかをまとめてみました。
修繕委員会を結成する際には、そもそもなり手が出てこない、専門的知識が不足している、建設会社の社員など利害関係者が立候補してきたというような相談があります。
コンサルタントの選定の仕方がわからないという話がよくあります。不具合原因の把握、居住者意見の公聴など調査はさまざまなデータを集めることですが、そのデータを集めきれないところから問題が発生します。
専門家に任せているのだから大丈夫だという理事さんがいますが、専門家には作業を任せるのであって、最終的な意思決定までは丸投げしてはいけません。理事会が居住者への説明がまったくできなくなってしまいます。
総会では、もっぱら工事内容に説明に終始する議案説明となりがちです。総会は大規模修繕工事の承認を得る場なのですが、よく質問で「バルコニーのの片づけはどうしたらよいのか」「駐車場の移動はどうなるのか」などが出ます。それによって大規模修繕工事が賛成か反対かという話ではないはずです。
本来、経年において修繕をする意味、修繕積立金をコツコツ積み立ててきた必要性の意味などのおいて賛同を得るのが総会での目的です。
「私の目の前に足場が立つのなら反対する」とか、そういう取るに足らない、あとでクリアはいくらでもできるような内容で賛同を得られない総会もあるわけで、そこを押し切って工事の承認を得るケースもありますが、工事がはじまってから気持ちよく協力してもらわないと工事が円滑にすすみません。円滑に進まないと住みながらの工事ですから、非常に危険なんです。
工事が実施してからは、発生する問題をすべて施工会社に解決を押しつけるケースがありますが、問題解決は時間との戦いでもあります。施工会社に押しつけることによってさらに問題が広がりことがあります。理事さんにも汗を流していただくほうが、時間との戦いの中で問題解決が早いといえます。
引き渡し・アフターサービスでは、管理組合側の受け皿ができていないケースが続発しています。施工会社が記録通りに点検をしようにも、管理組合側に保証書がない、○○さんでないとわからない、そんな話になってしまいます。
各段階での失敗がこのように潜んでいるのだということがわかっていただければよいと思います。<次号につづく>

(大規模修繕工事新聞 2013-10.5 No.46)

 


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