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国土交通省/民泊新法成立、標準管理規約改正へ

マンションの一室を旅行者などに宿泊提供する「民泊」のルールを定めた住宅宿泊事業法(民泊新法)が6月9日、参院本会議で可決、成立しました。これにより、民泊ホスト・事業者は旅館業法の許認可がなくても都道府県知事に「届出」をすることで、年間180日を上限に民泊を運営することが可能となります。施行は来年1月予定。
国土交通省では6月19日、同法の成立を踏まえ、マンション標準管理規約改正(案)のパブリックコメント(意見公募~7月18日必着)を開始。意見公募を経て今夏、標準管理規約改正を決定する予定としています。
標準管理規約改正案では12条(専有部分の用途)の条文例に加え、コメントでは下記の条文例も提示されています。
・住宅宿泊事業者が同じマンション内に居住している住民である等、家主居住型の住宅宿泊事業のみ可能とする
・住宅宿泊事業者が自己の生活の本拠として使用している専有部分において宿泊させる、家主同居型のみ可能とする
・住宅宿泊事業の実施そのものだけでなく、さらに、その前段階の広告掲載等をも禁止する
・住宅宿泊事業を実施する届出を行った場合、その旨を管理組合に届け出なければならない

「民泊禁止」条文、果たして…
「届出は受理されない」と言えるか

住宅宿泊事業法は、住宅宿泊事業を営もうとする際の届出、住宅宿泊管理業や仲介業の登録制等を定めたもの。民泊サービスの提供に関して一定のルールを定め、健全な民泊サービスの普及を図ることを目的としています。
同法は「民泊サービスの普及」が大前提にあるため、マンションで管理規約に禁止を定めていたというだけで、果たして宿泊事業の「届出は受理されない」と言えるかどうか、というと現時点での判断は難しいのではないかと思われます。
京都市のように条例で「規約で禁止している場合には宿泊事業を制限する」としているケースもあるが、東京五輪・パラリンピックを想定していることもあり、他の自治体が条例で民泊を規制することは期待できない。
また、管理規約に反する「ヤミ民泊」問題も出てくるかもしれない。「民泊禁止」マンションでは、マンション内での周知やコミュニケーションを高めておくことが大切だといえるだろう。

(大規模修繕工事新聞92号)

標準管理規約改正案


新法民泊を可能とする場合
第12条 区分所有者は、その専有部分を専ら住宅として使用するものとし、他の用途に供してはならない。
2 区分所有者は、その専有部分を住宅宿泊事業法第3条第1項の届出を行って営む同法第2条第3項の住宅宿泊事業に使用することができる。

新法民泊を禁止する場合
第12条 区分所有者は、その専有部分を専ら住宅として使用するものとし、他の用途に供してはならない。
2 区分所有者は、その専有部分を住宅宿泊事業法第3条第1項の届出を行って営む同法第2条第3項の住宅宿泊事業に使用してはならない。

マンション民泊で考えられる被害・トラブル
・ごみが散乱する、分別がされない、ごみ出しの曜日を守らない
・夜でも話し声が大きい、夜中にパーティをするなどの騒音被害
・不特定多数の外国人の出入りがあり、恐怖を感じる
・家主不在型民泊オーナーがマンション住民の気持ちを考えない

民泊事業者への対応例
東京・新宿のS管理組合(1981年竣工・120戸)では民泊行為を管理規約で禁止しています。
そのマンションで2016年から6件の民泊事業を行っている住戸あることを理事会で把握しました。
先に発覚した3件につき、理事会が弁護士を通じて民泊の停止勧告を行い、1件はマンションから退去することで解決しましたが、残る2件はその後も続けていたため、弁護士から保健所と警察に通報。現在、保健所と警察から注意勧告と事情聴取を受けています。
後に発覚した3件についても、理事会では即座に同様の対応を行い、今後も「疑わしき状況が発覚次第、同様の手続きを即座に取る」と厳正に対処することを住民に周知しています。