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マンションにコミュニティは必要か!?

マンションにコミュニティは必要か!?

日本マンション学会のシンポジウム開催

10.19於:明海大学浦安キャンパス

千葉・新浦安の明海大学キャンパスで行われたシンポジウムの様子
千葉・新浦安の明海大学キャンパスで行われたシンポジウムの様子

一般社団法人日本マンション学会は10月19日、千葉・浦安市の明海大学浦安キャンパスで「マンショにコミュニティは必要か?災害時・復興にコミュニティは機能したのか?」をテーマにシンポジウムを開きました。
当日は、東日本大震災で被害を受けた浦安市に所在するマンションの災害時や復旧時におけるマンションコミュニティについて現地の2つの管理組合から事例報告をしてもらいました。
東日本大震災の経験から、マンションのコミュニティの必要は再認識されています。それもマンション内だけではなく、マンションと地域といったコミュニティも含まれます。
ところが、国土交通省が昨年1月に設置した「マンションの新たな管理ルールに関する検討会(座長:福井秀夫・政策研究大学院大学教授)」では、現行のマンション標準管理規約第32条1項15号のコミュニティ条文を削除すべきだという議論がはじまり、検討会自体が紛糾してしまいました。
そこで、こうした動きに危機を感じた4団体が共同でマンションのコミュニティは必要かについてシンポジウムを開き、
マンションコミュニティにおける共同提言をすることになったのです。

マンション標準管理規約
第2節
 管理組合の業務
第32条
 十五 地域コミュニティにも配慮した居住者間のコ
ミュニティ形成

マンションコミュニティに関する共同提言
一般社団法人日本マンション学会
NPO法人全国マンション管理組合連合会
一般社団法人マンション管理業協会
一般社団法人日本マンション管理士会連合会
■背景
東日本大震災において居住者間の相互扶助・助け合いが有効に機能し、管理組合・自治会の即座で適切な対応が行われたのは日常的にコミュニティ形成に取り組んでいるマンションでした。こうした居住者間のコミュニティ形成は、従来より良好な居住環境の維持や管理組合の業務の円滑な実施、共同の利益の増進のために極めて重要であるといわれてきましたが、これが実証されたものといえます。さらに、災害時に備えてマンションと地域と連携強化の必要性から、マンションと地域とのコミュニティ形成の重要性も高まってきています。

マンション管理にかかわる法制度では、昭和58年の区分所有法の大きな改正を踏まえ、数次にわたる標準管理規約の改正、マンション管理適正化法の制定など、その基本にはマンションでは区分所有者の主体的な合意形成、それを円滑に行うためのコミュニティの形成を重視してきました。
今後、ますます、区分所有者や居住者の高齢化が進行し、また、賃貸化などの進行も鑑みますと、より、マンション内のコミュニティ形成が重要になっていると考えられます。
そこで、私たちは、円滑な管理組合の運営、共同生活の実践には、コミュニティの育成は必要でかつ重要であるという思いから、具体的に以下の点を共同で提言いたします。
■提言
1. マンション管理を進める上で重要な役割を果たしている標準管理規約において、現行の「コミュニティ条項」を残す
こと
2. マンション管理関係者である居住者、区分所有者、管理組合、管理組合連合会、管理会社、マンション管理士、マンション管理研究者などは、マンションのコミュニティ形成の育成に寄与すること

(大規模修繕工事新聞 2013-11.5 No.47)


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