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『積算資料ポケット版マンション修繕編2014』発刊

大規模修繕の設計・見積資料
『積算資料ポケット版マンション修繕編2014』発刊

一 般 財 団 法 人 経 済 調 査 会

一般財団法人経済調査会はこのほど、創刊10周年記念号として『積算資料ポケット版マンション修繕編2014』を発刊した。
特集記事では、『バリューアップ改修』をメインに取り上げた。
耐震・省エネ・防犯・バリアフリーをテーマに、13の実例と工事費、建材を紹介。実例では見積だけでなく、工事に至るまでの経緯や工事内容も併せて掲載している。
見積もり実例は、震災復旧工事、エントランス・ロビー改修工事、給水・排水・給湯管およびユニットバス更新工事の3例。一般的な修繕工事内容以外に行われた工事内容部分をピックアップして紹介した。
また、積極的な活動が注目される、一般社団法人マンション計画修繕施工協会の『第3回マンション・クリエイティブリフォーム賞審査結果発表』も紹介している。全国地方公共団体マンション共用部分修繕等に対する助成制度も新たに掲載した。
工事単価は国土交通省が作成した「長期修繕計画標準様式」に準拠したものを掲載している。

50-9『積算資料ポケット版
マンション修繕編2014』
建築工事研究会/編著
一般財団法人経済調査会/発行
A5判512ページ
定価2,800円(税込)
ISBN978-4-86374-138-6
www.book-kensetsu-plaza.com

 

 

 

 

工事費の傾向
見積書分析結果
70㎡~ 90㎡で戸当たり約80万円

本書の特集のひとつに「マンション大規模修繕工事の見積書分析結果」が掲載されている。
大規模修繕工事費用は、工事項目の大区分から小区分までの構成で、各工事項目の単価×面積・数量の積み上げで算出される。
ただ、物件ごとに劣化状態や仕上げ構成・諸条件が異なるため、見積価格の傾向をみるためには最近の見積価格を集約し、分析する必要がある。
本書がまとめた調査物件は、平成22年4月~平成25年3月の期間に収集した大規模修繕工事の見積書データを用いて集計・分析を行った。
調査対象物件は120件。このうち、全体工事費の有効値としては60件分を扱っている(各工事項目のデータの中には60件以下のものもある)。

このページでは、工事項目のうち、全体工事費と仮設工事費の戸当たり価格傾向のみを記載する。その他、下地補修、塗装、防水工事などは本書参照のこと。

全体工事費

50-9-1今回収集した見積書データによる戸当たりの全体工事費の平均金額は78.9万円だった。
戸数が大きいほど戸当たりの金額が下がる傾向にあるが、これは戸数規模が小さくても大きくても仮設事務所や仮設トイレ等、ある一定の経費はどちらにもかかるということを表しているといえる。
ただ、50戸未満のマンションでは工事費の変動要因が大きく、工事費がばらつく傾向にあった。
表1は延床面積÷戸数で戸当たり単価を計算したもの。70㎡未満、70㎡~ 90㎡、90㎡以上(それぞれ専用使用部分面積を含む)の3タイプに分類してその傾向をみた。

仮設工事費

50-9-2集約した仮設工事費は、共通仮設と直接仮設工事費を合わせてみている。
仮設工事では、直接工事となる足場費用に対して、階高による変動傾向がみられない。このため、仮設事務所、仮設資材置き場、仮設トイレ、仮設電気など共通仮設による変動が大きいという傾向が出た。
また、表1と表2を見比べると、仮設工事費が全体工事費の20%以上を占めていることもわかった。

 

(大規模修繕工事新聞 2014-2.5 No.50)


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