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ペット禁止マンションですが  飼っている人がいます。

<strong><span style=”font-size: large;”>Q16 ペット禁止マンションですが飼っている人がいます。</span></strong>
<h3>ベストアンサーに選ばれた回答</h3>
<span style=”font-size: medium; color: #000080;”>争いは不毛。対立せず、議論の限りを</span>
マンションでのペット飼育の問題は後を引きません。マンションのルールを守ることは何か。そんな原点を諭したところで、争いごとに発展するだけです。
今回は、ペット訴訟における現時点の裁判所の判断の到達点について、法律家のまとめから引用します。

<strong>【一般的なペット訴訟の争点】</strong>
ペット飼育禁止規定のあるマンションで、禁止規定を優先させるか、あるいは飼育の実態を優先させるか
<strong>【裁判所の代表的な判断】</strong>
1) 全面的にペット飼育を禁止する規定を設けている管理規約も、有効である
2) ペット飼育禁止規定があるにもかかわらず、ペット飼育をしている飼い主が「具体的な被害が発生していない(共同の利益に反していない)」などという抗弁は、認められない
3) 盲導犬など、動物の飼育が飼い主の日常生活・生存に関して不可欠な意味を有すると客観性をもって認められる場合は、ペット飼育禁止規定があっても、ペットの飼育は認められる

<strong>【裁判所はなぜこのように考えるのか】</strong>
1) マンションは、隣近所の住居が密接しており、騒ぎのない共同生活を前提としている
2) ペットの対象は、飼い主の主観によって多様で、必ずしも一般的に愛玩するべき対象といえない動物もある
3) ペットへのしつけの程度は、飼い主によって千差万別である
4) 生態や習性、そのペットの存在自体が、他の入居者に不快感を与えることがある
5) ペットの糞尿による汚染や臭気、病気の伝染や衛生上の問題、鳴き声の騒音、かみ傷事故など、無形の影響を及ぼす
6) ペットによる具体的な被害とは何かという判断は極めて相対的なもので、「無形の影響」を考えると、実害の有無を表現することは現実的でない(例えば、存在自体に嫌悪感を持つ人もいる)
7) 上記のような禁止規定の理由から、禁止規定がある以上、飼育方法を工夫したとしても限界がある
<strong>【コメント】</strong>
ペット訴訟は、密かに飼う人がいるために、管理組合内部に深刻な対立を生み出し、訴訟に発展する流れとなります。ところが裁判になっても、裁判所に和解を勧められて終わることが多い。不毛な争いをするくらいなら、よくよく話し合って、多くの人の納得が得られるようにすべきではないでしょうか。
ペットが生活の支えという人もいるし、身体的に動物アレルギーの人もいます。その中で、落としどころはどこにあるのかを見つけるためには、言いたいことを言い合うことが必要です。
対立はダメ。紛糾しないように議論の限りを尽くしてほしいと思います。
自分たちのマンションにはどんなルールが必要なのかを意見を出し合い、自分たちで考えて決め、決まったことは守っていくことが肝心です。

(大規模修繕工事新聞  No.61)


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