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なぜ大規模修繕工事を失敗したか②

管理組合役員勉強会を開催

なぜ大規模修繕工事を失敗したか②

全国建物調査診断センターが9月22日、東京・京橋で管理組合役員勉強会「役員さん、大規模修繕工事の備え
は十分ですか?」を数回に分けて掲載します。今回は「なぜ大規模修繕工事を失敗したか」の2回目です。講師は
1級建築士事務所の㈱リノシスコーポレーション・佐藤成幸常務取締役。
「次も頼むから値引きして」はNGワード施工会社選定時の失敗発生におけるリスクでは、例えば見積もり時に他社より高い項目を見つけて「なぜ他社より高いのですか?」と聞くとします。
すると、施工会社からは「ベストをつくしたつもりだが高いようなら値引きを考慮する」と回答するでしょう。
下記表にあるように、理由もなく単に値引きを求めるようでは結果的に損をする可能性が高くなります。
「次の大規模修繕工事も頼むから値引きして」というのもNGワード。そもそも理事は交代します。その上総会決議が必要です。それならば「10年後の確約を期待できるか」という問題になります。
また、他社より安い項目を見つけて「他社より安いけど大丈夫か」と聞く管理組合もあります。
施工会社は「大丈夫です」と回答するに決まっています。「材料を本社一括購入しているので安くて問題ないです」
などと言います。
施工会社は管理組合よりもプロですから、工事契約のためにいろいろなことを言います。
見積書は果たして正しく分析比較できるのか?それが問題です。設計コンサルタントという第三者がそこで必要であると言えるのではないでしょうか。
施工会社選定時の失敗発生リスクよくある見積書の理解の仕方
(1 )ひとつの工事ごとに他社との比較で高い・安いにやたらとこだわる
・ 競争見積もりを依頼しているのであれば、高いと認識して見積書を提出する施工会社はそもそもない
(2 )安かろう悪かろうという言葉に敏感になり心配する
・ もっとも採用してダメなのは「高くて悪い」であると認識するべきである

(3 )最安値と最高値の見積もりを切ろうとする
・ 競争見積もりを依頼しているのであれば根拠のない行動で損をする可能性が高い
(4)値引きの多い会社を努力していると評価する
・ 単価に値引き代が最初から上乗せされていたりしたら一緒
(5 )単価が高いと良い工事になるように思っている
・ 直接雇用しているわけではないので、工事作業に必要な費用以外は利益に還元されるだけ
(6 )単価が安いと手抜き工事になると思っている
・本当に手抜きになる単価か把握しているか
(7)結果的に安値の会社を選んで発注している
・イメージに左右されている
(8)諸経費が何かよくわからない
・ いつも建設会社はわからない項目を計上して不透明にぼろ儲けをするものだという先入観がある

これでは失敗しないまでも、損をする可能性が高い

(大規模修繕工事新聞 2013-11.5 No.47)


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