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「アラウンドマンションよもやま話」設計コンサルタントへの期待

around設計コンサルタントへの期待

NPO日本住宅管理組合協議会/集合住宅管理新聞『アメニティ』2013年11月5日付第374号「論談」より

◇ ヒアリングは真剣勝負の場
NPO日本住宅管理組合協議会(NPO日住協)は、大規模修繕工事等の際は設計監理方式を勧めている。多額な費用を使う工事において、監理と施工を分けることで、より透明性を担保できること理由だ。
設計監理方式においては、設計コンサルタントの資質が問われる。ヒアリングの際、参加施工会社にテストを出す設計コンサルタントがいると聞く。ヒアリングは、一社につきせいぜい1時間以内という短時間の中で、的確な質問を単刀直入に投げかけ、その会社や現場代理人の工事に対する考え方、態度、技術力や提案力などを聞き出して判断するものであり、真剣勝負の場である。
質疑を応酬することで管理組合と施工会社の双方の気持ちを明らかにし、疎通させる機会でもある。
そういう場に、テストはそぐわない。しかも、その内容と現場代理人が必要とする知識・技能はあまり関係がないと思える。
発注者と施工者は基本的には対等な立場であり、設計コンサルタントが上位にあるような勘違いを内在しているように感じる。

管理組合のための設計コンサルタントを考えよう
設計コンサルタントは、発注者の利益確保が前提であるとはいえ、発注者である管理組合が理不尽、過剰要求をしている場合には、それを正し、筋を通すアドバイスをすべき立場にもある。そのために設計コンサルタントと施工会社はしっかりとしたコミュニケーションが求められる。
実際に工事に入ると経験豊富な現場代理人は、設計コンサルタントよりも現場を熟知している。改修工事は工事がはじまってから、設計にない問題が出てくるのが普通である。そういうことも含め、管理組合と施工会社をうまくつなぐ役割を設計コンサルタントが担うことを求められ、それも含めて設計監理方式のよさといえる。
しかし実態は、現場代理人におんぶに抱っこの設計コンサルタントもいる。
管理組合、社会資本としてのマンションのために、設計コンサルタントの奮起を促したい。
管理組合も、設計コンサルタントの剪定には十分に留意することが必要である。
(論説委員会)

(大規模修繕工事新聞 2014-1.5 No.49)


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