危険!足場の施工不良 倒壊事故の原因は!?
平成24年3月、埼玉・松山市のマンション大規模修繕工事で足場の倒壊により、2人の児童の死傷事件が起こった。埼玉県警は足場の設置を請け負った会社社長らをさいたま地検に書類送検した。
事故の原因は、足場と建物本体をボルトや金具で固定するなどの倒壊防止措置が取られていなかったこと。労働安全衛生法は、倒壊防止のため足場の根元の固定や、建物側に穴を開けてアンカーを埋め込んでつなぐなどの対策を義務付けている。
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足場の建材メーカー社長は「建物を養生シートで覆うわけだから、少しの強風でも倒れないような対策はとらなければならない」と話す。
「基本的には、ちゃんとアンカーを打て、ということなんですが、それをやらない業者もいます」
一定間隔で壁つなぎ(アンカー)等を設けることになっているが、その作業を怠っていることが事故の原因だというのだ。
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では作業を怠る原因は何だろう。
「やはり、工事費用のダンピングです。費用が下がれば、そのしわ寄せは下請けに回ってきます。下請け業者はアンカーの数、建材のレベル等で調整するようになるのです」と建材メーカー社長。
大規模修繕工事の作業は大きな危険がつきまとう。危険を回避する対応には元請け業者もしかり、発注者である管理組合にも責任が及ぶ可能性がある。
いよいよ、管理組合も下請け業者の作業内容を知っておくことが必要な時代になってきた。
(大規模修繕工事新聞 2013-5.5 No.41)