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給水設備にまつわる話③マンションの給水方式

58-06-1

マンションの給水方式は、過去の歴史をたどるとほとんどが貯水槽を用いた方式が採用されてきました。水道本管の水を受水槽から屋上の高架水槽に上げ、そこから落下する勢いで各住戸に給水する方式です。
しかし、平成の時代に入り水道事業者の供給性能が向上すると、より衛生的な水源を確保しようという動向から、貯水槽が不要な「増圧直結方式」が選定されることが多くなりました。
この直結方式は衛生面ばかりでなく、水槽の維持管理(点検・清掃・水質管理等)が不要になるなど、管理費の節約というメリットもあります。
ただ、ライフラインが分断されるような大震災を想定し、緊急時の飲料水として貯水槽方式を継続していく管理組合も少なくありません。
この場合、1982年に定められた「建築設備耐震設計・施工指針」をもとに水槽、ポンプなどの耐震性を確保する必要があります。貯水槽自体に被害が生じれば、そもそも緊急時の飲料水の役目が果たせないことになるからです。
さらに高架水槽の架台は耐震性として危険度が高く、受水槽は残しても高架水槽は撤去するケースが増えています。現在はポンプが小型で性能もよくなり、自然流下による高架水槽方式の需要が少なくなってきたといえるようです。
建物自体の耐震化も大切ですが、重量のある水槽の耐震改修もあわせて検討する必要があります。
(大規模修繕工事新聞 No.58)

58-06-2


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