傾斜地立地のマンション受水槽撤去跡にエレベーター新設
2回目の大規模修繕工事。「今回は、付加価値による財産の維持、美的環境の維持、この2つをコンセプトに工事を実施した」と語るのは大規模修繕委員会の浅地究委員長。
給水システムを直結増圧方式に変更した。これまでは水道本管から受水槽に貯水し、それを屋上にあげて高架水槽から各戸に給水する方式だった。
水槽の清掃や点検等の維持費用、衛生面などを考えて水道本管の水が直接各戸に給水される直結増圧方式を選択したという。
付加価値はここで生まれる。不要となった受水槽を撤去し、その跡にエレベーターを新設するのだ。
マンションは傾斜地に立地する。エントランスは3F。エレベーターも3Fから上階のものだけしかなかった。
「これから10年もすれば住民が3Fのエントランスまで階段を上がるのがつらくなるかもしれない。だから10年先を見越して今3Fまでのエレベーターを新設するのです」(浅地委員長)。
既存エレベーターも全面改修し、油圧式→ロープ式で機械室が不要となる。空いた部屋は理事会議事録や終戦履歴など管理組合資料の書庫にする。
工事データ
○工事名/ライオンズマンション久末大規模修繕工事 ○建物概要/ 1984(昭和59)年竣工・RC造・地上9階・1棟・62戸
○発注者/ライオンズマンション久末管理組合 ○設計・監理者/㈱ジャパン・ドラフティング一級建築士事務所
○施工者/ SMCリフォーム㈱東京支店
○主な工事内容/仮設/躯体補修/シーリング/外壁等塗装/防水/電気設備/給水設備システム変更(高架水槽方式→直結増圧方式)/エレベーター新設、既存エレベーター更新/その他
○工事期間/ 2011年6月27日~ 12月17日
(大規模修繕工事新聞 第27号)