ディスポーザー騒音は「バブル音」
マンションに生ごみを処理するディスポーザー排水システム導入されてから20年が経過しました。
このシステムは便利な 反面、騒音と臭気、配管詰まりの課題がつきまとう、厄介なシ ステムです。
筆者がメーカーでディスポーザー生ごみ処理システムを販売していた時、解決方法がみつからず、対策にかなりの損失を出したのが、騒音の問題です。
ディスポーザーシステムで騒音が出るものといえば、ディスポーザー本体か、処理槽のばっ気ブロアと思われがちですが、実は違います。
ディスポーザーの騒音で一番問題なのは「処理槽のばっ気の泡の音、バブル音」です。泡の音が躯体を伝搬して上階の部屋に響くのです。ひどい時には5階ぐらいまで響きます。
この音はホテルの部屋で空調機が動いているような音で、まず消せません。
ディスポーザーシステムの処理槽は、躯体で築造してはダメだとつくづく思います。屋外に埋設する、ピットの空間に置くなど、FRP製でやるべきでしょう。
もしご自分のマンションにディスポーザーシステムが採用さ れていれば処理槽がどうなっているか、確認されてはいかがでしょうか? 当時、デベロッパーから騒音の出る部屋を買い取れと言われたこともありました。はっきり言って脅しです…(-_-;)
専有配管更新、追い炊きルートは要注意
マンションの配管更新工事で最近多くなってきたのが、専有部分の給水給湯管更新工事です。
この給水給湯管更新工事は、新しい配管材に可とう性(曲がっても元に戻る性質)のある樹脂管を使用するため、部屋内の天井、壁、床の隙間を通して配管していくことで内装工事を最小 限にとどめ、早ければ1日で施工完了することができます。
しかし、室内の配管工事を何も考えずに行うと、思わぬ落とし穴が待っています。特に追い炊き配管ルートは要注意です。
追い炊き配管とは給湯器と浴槽をつなぐ、行き返りの2つの配管で、お湯張りや追い炊きを自動で行える便利な機能です。
この配管を安易に室内に配管すると「部屋内でじゅるじゅると水が流れる音が聞こえる」等の苦情が寄せられる場合があります。
追い炊き配管は浴槽口から空気が入り込むため、お湯張り時に一時的に空気が配管に入りこみます。
ストローで空気と水を吸い込むとじゅるじゅるする音と同じ音がします。この音はなかなか消せません。これは経験者でないと予測できません。
専有部配管工事を依頼する際には、やはりかなりの実績を積んでいる会社(痛い目に合っている会社)に依頼した方がよいと思います。
<文/全国建物調査診断センター・ 給排水設備担当:淵上>
(大規模修繕工事新聞 114号)