三科正徳社長は防水職人からのたたき上げで、会社を 興した苦労人だ。
防水改修に特化した会社の社員だった三科社長は1997年、24歳の若さで個人で仕事の請け負いをはじめた。 2001年、職人仲間を集めて法人化に踏み切り、防水のほか、 塗装、内装などリニューアル工事一式を受注する会社組 織をつくる。 三科社長は当時を振り返り、「営業や現場監督上がりの 人と比べて、工事一般の知識がなかったから、軌道に乗るまで時間がかかりました」という。
2003年からは現場を社員に任せ、社長業に専念。改修請負会社としてノウハウのある社員を雇用したり、積極的に材料メーカーから学ぶなど、基盤づくりに励んだ。
一方、職人上がりということから、三科社長自身が現場の雨漏りなど建物の不具合や対処法を即座に判断することができ、自社の職人には社長自らから指導を行うことができるという強みも持つ。
こうして築き上げた会社は現在、社員50人、登録協力会社100社を数えるまでに成長した。
社名であるエム・トラストの「エム」は三科正徳社長のイニシャルの「M」、トラストは英語の「trust(信用、 信頼)」に由来する。掲げる経営理念も「信用と信頼を基 本理念とし」を文頭にはじまる。
「お客様に、あの会社に任せておけば大丈夫というような、安心、信頼の“エム・トラストブランド”を目指したい」 と三科社長。「小規模から大規模マンションまで、どのような現場でも対応できる体制を整え、もっともっと同業 他社に追いついていきたい」と話す。 これからを期待できる、新進気鋭の改修会社である。
(大規模修繕工事新聞 117号)
社内の就業の様子