形成されてきたコミュニティ
NPO日本住宅管理組合協議会/集合住宅管理新聞『アメニティ』2020年2月5日付第449号「論談」より
それぞれ特徴もって
NPO日住協会員管理組合のマンション・団地は、50年の歴史の中で、それぞれ特徴をもったコミュニティをつくってきた。ひとつとして同じものはない。
しかし、コミュニティとしてのまとまり、管理組合と組合員、住民同士のコミュニケーションの良さなど、コミュニティの一定の成熟のうえに管理組合の運営が成り立っている点では同様である。
情報の伝達と交流
管理組合を中心としたコミュニティのまとまりを作り、発展させていく要は、何といっても管理組合の運営に関する情報を、可能な限りオープンにし、正確に組合員に伝達していくことである。
また同時に組合員の要求や意見を集約、交流することである。世間では、コミュニティ活動といえばお祭りや餅つきを取り上げることが多いが、組合員がまとまる基本は、本来の課題である管理組合運営に関し、理事会と組合員との双方向のコミュニケーションをどう強化していくかにある。
数多くの伝達手段
最近のIT機器の発達はめざましい。
スマホで理事会の連絡から会議の一部まで行っているところもある。管理組合の会議の模様をパソコン通信で全組合員に即時中継しているところもある。
しかし一方で、こういう情報手段を利用しない組合員も多く、理事会としては旧来の掲示板や紙のニュースの発行などとあわせて、多様な手段を駆使することが望まれる。
意見の反映の努力
組合員との間で情報の伝達をよくしておけば総会議案が通りやすくなるとよくいわれる。事実そういった一面はある。
しかし、情報の伝達は理事会からの一方通行、説得のためだけの道具ではない。管理組合の主人公はあくまでも組合員である。
そういう立場から、組合員個々の持つ情報や意見をくみ上げ反映する努力が求められる。
NPO日住協は、管理組合の交流会などを通じて、それぞれの管理組合に適したコミュニティ活動のいっそうの発展のために、可能なかぎりの支援を引き続き行っていきたい。 (NPO日住協論説委員会)
(大規模修繕工事新聞123号)