月刊「大規模修繕工事新聞」は、一般社団法人 全国建物調査診断センターが発行するマンションの適正な管理に役立つ管理組合向けのフリーペーパーです。コロナ過を契機に発行形態を紙媒体から全面的に電子版に移行いたしました。それにともない、これまで首都圏、関西圏のみの発行でしたが、ネット配信の強みを生かし、全国規模に拡大しました。当HPでは、「大規模修繕工事新聞」創刊から現在に至るまで、全ての記事をアーカイブ収録していますから、マンションの大規模修繕工事に関する情報やマンション管理組合に関する情報を右の<記事検索>にキーワードを入れるだけで表示させて、必要な記事を読むことができます。今後とも、マンション管理組合さまのお悩みに寄り添い適切な情報をお届けしてまいります。

闘え!マンション管理組合奮闘記/Data.6

専門家の意見取り入れ、効率的な修繕計画に 「日常管理も工事も納得したものにしたい」

「受水槽の排水ポンプの不具合だとかで緊急出動して、調査費だ、対応費だ、って話が進んでね」―現在の管理組合運営を心配し、「他のマンションはどうなのだろう」と情報収集をはじめた理事長のOさん。
 1回目の大規模修繕工事は築16年目。その1回目の工事で管理組合は借り入れを行った。「マンションを購入する前に管理組合に借金があり、返済中であるのはわかっていたけど、マンション自体を気に入って購入した」。ところが、理事長は入居後、1回目の大規模修繕工事はいたるところに施工不良が判明。日常管理でも「コミュニケーションが不足しているのではないだろうか」と思うようになった。
 住戸は賃貸率が高く、「管理会社お任せ」体質があり、共用部分の管理については無関心といった状態。そこでO理事長は入居早々、管理組合役員に立候補し、管理運営改善への取り組みに踏み切ることにした。
 「せっかく気に入って購入したマンション。維持管理でも納得したい思いが強かった」
 O理事長が全戸に提案した内容は、①借金を返済しながら、次回の大規模修繕の工事範囲は積み立てた金額の中で行う方法②次回の大規模修繕に向け、積立金額をアップして余裕をもった計画を立てる方法。

 その結果、管理組合の意思は後者で決定。提案の目的は、まずは他の区分所有者に関心を持ってもらうことだった。そうした意識付けのかいもあり、現在は借金を返済し終え、次回の大規模修繕に向けてギリギリの金額が積み立てられる見通しがついた。
 「でも、お金を貯めるだけが管理組合のやるべきことなのか、と思った。もっと自分たちで勉強して、自分たちのマンションにしてこそ本当の管理組合運営といえるのではないか」。
 昨年6月、ホームページでみつけた全国建物調査診断センターの訪問勉強サービスを利用した。そこで発見したのは、建物の状態把握をした上でどんな工事をいつ、どのようにするかということ。「管理会社や工事会社の言われた時期に、言われた金額の工事をすればよいというものではないことがわかった」。
 屋上防水や斜壁屋根について、次回の修繕計画にあるが、屋上に上って点検してもどこが悪いのか…。外壁や内壁についてもタイルが使用されていて浮きなどの劣化はまったく見られない。
 「大規模修繕工事に含める項目なのか、個別に小修繕を行ったほうがいい部位なのか、当分は何もしなくてもいい部位なのか、専門家に意見してもらえれば、効率的な修繕計画となる」
 現在の建物の気がかりな点は漏水問題。以前3戸で漏水が発生し応急処置は施したものの、根本的な解決とはならなかった。コロナの影響もあって漏水調査は1年以上も延期が続いている。さらにエントランスの玄関扉や屋内駐輪場の鉄扉、共用廊下の木製柵の補修など、他に気になる個所の修正も控えている。
 管理会社や工事会社からの提案については今後、全建センターのセカンドオピニオン制度を利用し、外部専門家の意見を取り入れていく予定だ。
 「マンションの外壁は重厚感があり、内庭のイチョウの木も趣があって気に入っている。これからも理事長として住み心地の良いマンションにするため維持管理を徹底していく。日常管理も工事もみんなが納得したものにしていきたい」とO理事長は話している。


大規模修繕工事を18年周期化するためには
 大規模修繕工事を18年周期化するためには、恒常的な建物状況の把握と継続的な小修理が不可欠である。管理組合の事業としては大きな工事ばかりに目が行きがちだが、適時適切なタイミングでの小修繕による維持管理が重要であ
る。
 また、日常の小修繕を無駄なく効率的に実施するためには、不要不急の工事をしない、適正価格での工事を行う、理事が理解と納得のできる工事を行うことを心がける。
 そのためにも定期的な建物点検をして不具合個所や弱点を把握し、良いところ・長持ちするところをさらに延ばせるようにできれば、大規模修繕工事の18年周期化、さらに長い期間での実施が可能となる。

(大規模修繕工事新聞 136号)

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●マンション建物概要
 ・C管理組合
 ・築29年・RC造・1棟・7階建て
 ・全24戸(賃貸率67%)
 ・役員/理事長、副理事長、監事の3人
 ・理事会開催頻度/月1回