国土交通省が「置き配」のススメを説いている。
マンション管理センター通信5月号において、国土交通省住宅局参事官名で、置き配を認めるルール「置き配に関する使用細則を定める際のポイント」(令和6年6月公表)を紹介している。
置き配に関する使用細則を定める際のポイント(図1)
根拠は国土交通省管轄下である物流分野の働き方改革、いわゆる「2024年問題」への対応である。
確かにセキュリティレベルの高いマンションでは、配達員が警備室で配達指示を得てセキュリティ施錠カードを預かり、何カ所かのセキュリティを解錠して居住エリアに入る仕組みがあり、一住戸への配達だけで30分かかるとする報告が上がっている。
第4回「持続可能な物流の実現に向けた検討会」佐川急便株式会社発表資料(令和4年12月13日)(図2)
そんな配達環境の中で、配達完了ができなければ。。。
再配達の繰り返しは物流分野における働き方改革の最大の弱点だ。
国土交通省は6月23日、宅配便再配達率のサンプル調査の結果を公表した。
これによると、今年4月の再配達率が約8.4%となり、2022年の10月(約10.6%)と比べ約2.2ポイント減った。
再配達を問題視する受け手の意識や国土交通省の取り組みにより、改善傾向が見られているのだといえよう。
ただし、再配達は有料化へと進められ、この先も受け手の対応改善が求められるのは必然といえるだろう。
宅配便再配達率のサンプル調査(図3)
そこで、国土交通省が推奨する「置き配」である。
実は、マンション管理組合の反応は「置き配」にまったく否定的だ。センター通信で国土交通省が「置き配に関する使用細則」を広報するも、関心を持たれないのが実情である。
もちろん、最大の理由は、玄関前の共用廊下に私物を置くのは原則的に認められていないというものだが、管理組合交流会で話を聞くと、置き配トラブルのほうが話題になり、置き配を認める使用細則の作成を検討するほうへ話題が向かないことがわかった。
・ 「配達完了しました」との通知が届いたが、玄関の前もポストも宅配ボックスにもない。通販サイトに添えられていた写真を見たら、うちのマンションではないことが判明した。
・ポストに入るものだったが、置き配にされ、盗難に遭った。
・商品が届かないので、商品キャンセルをしようと思ったが、「返品」する方法しかない。手元に商品がないので、キャンセル自体ができない。
・商品が届かないので、通販サイト側の保険で返金対応となったが、結局欲しかった商品は手に入らなかった。
管理組合側(受け取り側)で使用細則を定めたとしても、配達側に問題があれば何のためのルール化かわからない。そうした認識が管理組合側にあるのだ。
宅配業者のほうでは、玄関前などに荷物を置くことで「配達完了」とする置き配の利用が広がっている。
ドライバーなどの働き方改革の必要性、あるいは再配達を減らす受け手の意識改革が求められることも理解できる。
一方で、ぞんざいな配達につながり、トラブルになるがために、置き配を認める使用細則を作成できない管理組合の気持ちも理解できる。
国土交通省による、マンション向け置き配のすすめ(使用細則の広
<全建センター・大規模修繕工事新聞論説委員会2025/09/02>
大規模修繕工事新聞 2025-9月 189号








