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新刊紹介/『世界は団地でできている-映画のなかの集合住宅70年史-』

『世界は団地でできている-映画のなかの集合住宅70年史-』
「あなたのこと、団地中の人に知らせてやるわ」-映画『団地妻 昼下りの情事』(1971)のセリフである。このセリフにゾッとする人は、本書タイトル「世界は団地でできている」の恐ろしさを実感できる人だろう。
横溝正史は金田一耕助シリーズで『白と黒』(1960~61)という新聞小説を連載した。東京郊外に突然建設された団地。「いつの間に、あんな建物めが?」「ちょうどそのころ、金田一耕助は(略)圧迫し、息苦しさをかんじさせたところの、日の出団地に足を踏み入れていた」。
人気作家の目に、団地がほのぼのとした様子で描かれるはずがない。怪文書が飛び交い、変死体が発見される。殺人の道具には、集合住宅特有の設備であるダストシュートが使われた。
本書では15年にわたって団地作品について語るイベントを50回開催してきた6人のユニット(団地団=写真家、脚本家、編集者、小説家、漫画家)が、「団地映画」を通して思ったこと、考えたことを記した一冊である。
社会、風俗、家族、ジェンダー、創作などのさまざまな観点から、戦後社会の変遷とフィクションが語られている。

著者/団地団(大山顕、佐藤大、清水健朗、稲田豊史、山内マリコ、妹尾朝子)
発行/株式会社集英社
判型/新書判・240ページ
定価/1,089円(税込)
発売日/2025年8月8日
ISBN: 978-4-08-721375-1

大規模修繕工事新聞 2025-8月 188号