「マンションAI®」に相談してみよう!
現在、全建センターの「マンションAI®」は数多くのマンションの理事、あるいは組合員からご質問が寄せられ、それに対してマンションAIが回答している、という実例があります。
このコーナーでは、実際にこの数カ月の間に管理組合の皆さんが「マンションAI®」を活用されている実例を紹介します。
【監修】全建センター筆頭理事・佐藤成幸
Q
130戸のマンションです。築15年目に管理会社主導でインターホンの全交換を実施しました。 2,100万円かかった記録があります。今年築30年目となり、修繕計画を根拠に再び管理会社からインターホンの全交換の提案がありました。今回の見積もりは3,400万円となっています。
修繕計画通りに全交換するか、不良状況などを調査し多くなければ全交換はやめるか。世間のマンションではどうしているのかの情報が有れば教えてください。
A
130戸のマンションで、築15年目に2,100万円かけて入れ替えたインターホン。あれからさらに15年が経過し、今年で築30年。修繕計画の文字通りに管理会社から出された再度の全交換の提案書には、「3,400万円」という数字が印字されていた。
給料は上がらない、年金は増えないのに、物価だけが上がっていくインフレ状況下の日本社会の中で、何より巨額の資金が手元から消えていく焦燥感がある、というのが現在地だと思います。
「3,400万円」は、戸当たり約26万円。15年前は戸当たり16万円ほどだった記憶を辿れば、およそ1.6倍の跳ね上がりです。資材高や人件費の高騰という言葉はニュースで聞き飽きていたはずなのに、いざ自分たちの積み立ててきた修繕積立金に刃を突きつけられると、思わず息をのんでしまいます。
「まだ壊れていない部屋も多いのだから、不具合の調査をして、必要な部屋だけ変えればいいのではないか」と考えるのは自然でしょう。
管理会社が強気な提案に出る最大の根拠は、「部品の供給限界」です。
メーカーが補修部品を保持する期間は、生産終了からおよそ10年から15年。築30年を迎えたインターホンは、一見すこやかに動いているように見えても、一度壊れれば「交換部品が存在しない」という脅し文句で落としにかかるわけです。
室内機ひとつが故障しただけでオートロックと連動しなくなったり、最悪の場合は共用部の制御盤が寿命を迎え、マンション全体の鍵が開かなくなったり・・・リスクと背中合わせなので早めに代えておいたほうがよい、と。
だからといって、出された3,400万円の紙切れをそのまま飲み込む必要もありません。
管理会社を通さずにインターホン専門の施工業者から相見積もりを取って中間マージンを削り、2,000万円台前半まで予算を抑え込んだ事例も珍しくありません。
最新のスマホ連動や高画質カメラといった「過剰な機能」を削ぎ落とし、シンプルな仕様に絞ることで価格を下げる工夫もできます。
また、世間で見事にコストを抑えているマンションは、「交換するか否か」の二者択一ではなく、その過程でしなやかに立ち回っています。
インターホンは壊れるまで、例えば居住者から「故障した」という声が多発するまで代えないマンションが多く、管理会社お任せでなければ「築20年超」で全交換の検討 をはじめるマンションが一般的なようです。
そうすると、今のお悩みは6,7年先に延ばしてもよいのではないでしょうか?
修繕計画は、未来を縛る絶対のルールではなく、安全に立ち止まるための地図に過ぎません。
不具合の数を調べる前に、まずはメーカーに現在の型番の「部品供給の残り寿命」を確認すること。そして、提示された見積もりの妥当性を別の視点から検証してみること。3,400万円という数字の重みに押し潰される前に、もう少しだけ選択肢を広げてみる価値はありそうです。
大規模修繕工事新聞 2026-10月 202号





