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<会社探訪>株式会社 太陽

77-22「建物の長寿命化の実現」に向けて品質を向上するための対策を推進

職人が確保できず、現場が止まる。そんな事態を招くほど、建設業界では深刻な職人不足に陥っている。多くの建設会社が手をこまねいているこの問題に正面から向き合い、いち早く対策に乗り出したのが大規模修繕工事を専門とする施工会社の㈱太陽だ。
㈱太陽では、創業から仕事を共にしてきた協力会社と強固なパートナーシップを築いているため、これまで職人不足で工事がストップするという事態には陥っていないが「10年後はそうはいかなくなります」と、同社専務の阿部佳介氏は危機感を抱いている。
そのため今年の2月、子会社を立ち上げた。約40年の社歴で培ってきた技術とノウハウにより、大規模修繕工事を専門とする腕のいい職人を育成するためだ。
「職人不足で困るのは、結果的にお客様ですから…」と阿部専務。職人不足に陥ると、腕のよい職人を確保できなくなり、施工品質は低下し、工事費用は高騰する。子会社設立はまさに「すべてはお客様のために」を追求してのことである。
77-26 また、「お客様にとってよいことか否か」を判断基準として、現場管理業務やサービスの改善に取り組んできた。
自社の施工品質を社内の人間が検査するのは建設業界では普通のことだが、自分の仕事を自分で検査するのは手前味噌ではないかと、外部の専門家による検査を業界に先駆けて取り入れたのも同社だ。
古い慣習の建設業では、施工品質は現場代理人や作業員の力量に委ねられ、造る人によって品質に差が生じる。
そうした品質のバラつきを解消するために、「個人の力量任せ」ではなく、定められたワークフローを基に業務やサービスを改善しながら品質を向上していく、まるで製造業のような仕組みも取り入れている。
施工品質を向上することは、マンションの寿命を延ばすことに直結する。現在10 ~ 12年周期が推奨されている大規模修繕工事が、もしも品質向上によって20年周期にできたとしたら、管理組合のメリットは計り知れないだろう。
㈱太陽が掲げる「建物の長寿命化の実現」というISO品質方針には、そんな願いが透けて見える。
(大規模修繕工事新聞 第77号)

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