集合住宅の復元展示で、歴史を実感 先人の取り組みを知り、大満足!
3月15日、北風が吹きつけ、真冬が戻ったかのような天候の中、NPO横浜マンション管理組合ネットワークの面々とともに、独立行政法人都市再生機構が公開する集合住宅歴史館を見学してきました。集合住宅歴史館は八王子の都市再生機構・技術管理分室に属していて、施設は一般公開されています。
集合住宅歴史館は昭和30年代の「公団住宅」のほか、建築史的に価値の高い同潤会アパートの住戸等を移築復元し、集合住宅技術の変遷をたどる展示公開を行っている。展示移築建築物:代官山アパート、蓮根団地、多摩平団地、晴海高層アパート。
施設見学の前に、まずは東京・北多摩郡保谷町、田無町、久留米町(当時)の3町にまたがる区域に立地したひばりが丘団地の生活スタイルをビデオで鑑賞。時計の針を1960年にもどして(自分は生まれていませんでしたが…)、懐かしがる見学会参加者は少なくありませんでした。
続いてメインの集合住宅歴史館見学。近代的な集合住宅の先駆けとなった同潤会からは代官山アパートの復元展示で、その様子を実感。世帯向けでも28㎡とあって「狭っ!」。でも、当時は珍しかった水洗便所や水道、ガス設備などもあり、超高額所得者の住宅だったようです。
また、同潤会は関東大震災の復興を目的としていたため、避難用の縄梯子を設置したり、玄関扉は鉄板を巻いて防火性能を持たせるなど、災害対策がとられていたのだと教えてもらいました。
集合住宅歴史館
高層マンションの先駆けは東京・中央区の晴海高層アパート(1958年竣工・SRC造10階建て・168戸・約30~39㎡/戸)とされているようです。設計は日本を代表する建築家・前川國男氏。
エレベーターは3、6、9階のみ停まる仕組みで、他の階には階段で移動するスキップアクセス、3層6戸を1単位とするメガストラクシャー方式など、現代のSI(スケルトン・インフィル)住宅に通じるものがあるといえます。
見学は約90分。いや、もっとじっくり見たいな~って思うように、アッという間に時間が過ぎていました。
日本のRC集合住宅の歴史は100年を超えているそうです。先人が取り組んできた歴史は必ず受け継がなければなりません。その一端に触れただけかもしれませんが、とても良い見学会となり、大満足でした!
(大規模修繕工事新聞 第88号)
一般見学に関しては…事前予約制。施設案内担当まで。
独立行政法人都市再生機構 技術・コスト管理部 技術管理分室
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