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この人に訊く/1級建築士・岡崎利正氏

一般社団法人全国建物調査診断センター(吉野笙一理事長)が創設した現場代理人研修システム講座が好調だ。マンション大規模修繕に絞り込んで現場代理人に必要な能力を増進させる、業界で初の専門的な研修システムで、関西ペイント㈱、田島ルーフィング㈱、コニシ㈱と提携し、商品知識の徹底も盛り込んでいる。講師の岡崎利正・1級建築士に好調の理由と要因を訊いた。


―現在、現場代理人研修システム講座の雰囲気はどうですか?
プログラムも半ばまできましたが、非常に熱心な受講生が多く、講師としてもやりがいを感じています。
講座は聴講と、通信講座と称して毎回宿題のレポートを提出してもらっているのですが、内容のある受講生が多く、こういう人たちは必ず現場に貢献できるだろうと思います。
―施工業者選定における現場代理人の立ち位置は?
施工現場は現場代理人がすべてだという一般的な認識があります。このため施工業者選定のヒアリングでも現場代理人のよしあしで判断する管理組合が増えています。
とはいえ、深刻化する人手不足と、受注競争の激化によって、優秀な人材にも限りがあります。
このため施工業者にとっては、現場代理人の生産性向上が生き残りの条件になっています。
―実際の工事の中での現場代理人の役割は?
大規模修繕工事は建物の本体や部位の劣化の程度、範囲、原因も多種多様で、しかも元施工や設計が異なる点があるため、その対策は一様ではありません。
そのため、「どういう原因か」「どう対処すればよいか」というような探究心が要求されます。そこで過去の不具合が発見された場合、大規模修繕工事で是正をするよいチャンスになるのです。
さらに、さまざまな居住者、さまざまな生活形態の中での作業となるため、ソフト面でのスピーディな対応が重要視されます。
こうした環境下、工事をいかに円滑に進め、評価を得るかは現場代理人の腕の見せどころです。
―これから受講生たちに期待することは?
 この施工マニュアルは道しるべですが、完全無欠ではありません。各自がこれを拡張し、経験、知識、知恵を出し、より良くアレンジして、自分のものにしてもらうことを願っています。
現場代理人研修システム講座の修了証を提示することが、管理組合が採用する業者選定のスタンダードになっていってほしいと思います。

(大規模修繕工事新聞95号)

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