●現段階の4K対応テレビで4Kは視聴できない
新4K・8K衛星放送が今年12月から現行の衛星放送と異なっ た規格で開始されます。
現段階では、家電売り場で4K対応テレビが売られています が、一部ケーブルテレビやインターネットなど配信サービス以 外、一般の家庭で4Kの画質を視聴することはできません。
視聴するにしても現在発売されている4K対応テレビは、 4K・8K対応アンテナなど受信システムの変更や、今後市販さ れる受信機能のある4K・8Kチューナー等が必要となります。
4K・8K対応受信システムへの変更は、右左旋共用アンテ ナの設置や、ブースター、分配器などテレビ共同受信設備を 3,224MHz対応機器することなどで、大掛かりな改修が必要と なります。
設備の改修には工事計画、資金調達、総会決議、工事発注な どの手続きなど、工事完了まで長期間を要します。
管理組合の対応が遅れると、新4K・8K衛星放送を見たい住 戸が待ちきれず、ベランダに勝手に受信アンテナを設置する ケースが増えると考えられます。
●4K・8K放送のロードマップ
マンションの住民から「聞いていない」「早く教えてくれれ ばよかったのに」などといった苦情が出ないよう、管理組合内 での早めの検討と対応、住民への周知が必要といえるでしょう。 ※ 現行のハイビジョン(2K)は2018年以降も継続して視聴可能。 スーパーハイビジョン(新4K・8K)を必要としない家庭で は新しいテレビを購入しなくても、今のテレビのままテレビ 番組を見ることができます。
○4K・8Kとは
4K・8Kスーパーハイビジョン放送は、現行のハイビジョン (2K)を超える超高精細な画質による放送をいう。スーパーハ イビジョンの解像度は4Kが約800万画素、8Kが約3,300万画素 で、それぞれハイビジョン(2K)の4倍、16倍超となり、よ り立体感、臨場感ある映像を楽しむことができる。
○4K・8Kを見るためには
現行のBS放送、110度CS放送は放送衛星より右旋(うせん =右回り)で電波が送られている。それを左旋(させん=左回り) で出すと、右旋と同じ分の帯域が新たに使えることになる。こ の左旋の電波を使うことで4K・8K放送を実現させるのである。 このため、4K・8Kを見るためには右左旋共用のアンテナが 必要となり、使用周波数帯域3,224MHzまで対応する機器に変 更(改修)する必要がある。
(大規模修繕工事新聞 100号)