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全建センター第37回大規模修繕工事本音セミナー 11/23

大宮ソニックシティ会場の様子

全国建物調査診断センターは11月23日、さいた ま市の大宮ソニックシティ 904会議室で第37回セミ ナーを開きました。ここで は「管理組合の自立~居住 価値の向上を目指す~」を テーマに、ライオンズプラ ザ上野毛管理組合の田村新理事長から、管理組合の取り 組み例の一部を掲載します。 <構成:編集部>

ライオンズプラザ上野毛管理組合の取り組み

<ライオンズプラザ上野毛管理組合 1994年竣工・6階建て・62戸+1店舗>
【管理委託料の見直し】
 管理会社は簡単に委託管理費用の値下げには応じてく れません。  必要な業務と不必要な業務を精査し、その上で費用の 見直しを求めても「ゼロ回答」が続いていました。  そこで、他の管理会社6社から相見積もりを取ったと ころ、競争原理が働き、あっという間に値下げ交渉が管 理組合の有利となりました。  この結果、管理会社変更で、年間約120万円の委託費用 の削減ができました。
【共用部分の電気料の見直し】
 管理会社への委託費用の次にお金がかかっているとこ ろはどこか。それは共用部分の電気料です。  管理組合では共用部分の照明をLED化し、電子ブレーカーを設置。さらに東京電力から電力小売業者へ切り替 え、年間の電気代約15万円の削減ができました。
【設備保守点検費に見直し】
 エレベーター保守点検はメーカー系から独立系に保守 点検会社を変更。月額約3万円、年間約36万円の削減と なりました。
 また、給水システムは受水槽を撤去する直結直圧方式へ変更する工事を行うことにより、貯水槽清掃業務の約 5万円が削減しました。
【その他】
 管理組合がかける損害保険について、マンション管理の適正性を診断でして保険料の差を設ける保険商品に変更。これにより年間損害保険料は約34万円削減しました。
【これからの検討課題】
 以上、管理会社のお任せから、「管理組合の自立」により、 62戸というマンションの規模で、年額約222万円削減する ことができました。
 今後も「居住価値の向上を目指すマンション」として、 管理組合では空きが目立つ駐車場をコインランドリ等他 の用途への転用、共用部分の電気代に充てる太陽光パネルの設置、自動販売機の設置や企業広告の設置など、年間200万円以上の収入を目指しています。
 また、EV自動車、新エネルギー(水素)、人工光合成 パネル等、マンションに取り入れる可能性があるものはたくさんあります。  自立した管理組合として、いろいろな企業と交渉する ことができるのです。これらの交渉が成立しましたら、 みなさんにもその都度お伝えいたします。

(大規模修繕工事新聞 109号)

セミナー後に質疑応答を受ける 田村理事長

同様に相談を受ける 全建センター理事ら