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管理組合役員勉強会「大規模修繕、知らないと損する『失敗の研究』」②

全国建物調査診断センター

管理組合役員勉強会「大規模修繕、知らないと損する『失敗の研究』」②

12 / 15 東京・京橋 住宅あんしん保証本社会議室にて

全国建物調査診断センターは12月15日、東京・京橋で管理組合役員勉強会「役員さん、大規模修繕工事の備えは十分ですか?」を開きました。
㈱リノシスコーポレーション(1級建築士事務所)の佐藤成幸常務取締役の「大規模修繕、知らないと損する『失敗の研究』」紙上採録2回目です。次回の勉強会予定は3月23日㈰です

確実で実力のある現場代理人の選定法は?それは…賭けをしないこと

講師を務めるリノシスコーポレーション・佐藤常務
講師を務めるリノシスコーポレーション・佐藤常務

今回のテーマは安定で確実な現場代理人の選定方法です。
そもそも現場代理人とは何か。請負会社の法人格代表者の代理人であり、代理する権限も代表者が決めるものであります。
多くは契約行為、金銭的な決裁は代理していないケースが一般的です。契約でも甲乙の乙で現場代理人の名前でハンコを押すわけではありません。そこまでの代理行為は与えないというのが一般的です。
では、何の代理なのか。通常は請負契約履行のために付随する工事に関する管理全般を行う、いわゆる契約した工事を定められた期間に、定められた予算の中で完成させるために必要な人の手配、材料の手配、それらを含めて工程を立て、どのように進めていくか。工事を完成させるための管理全般を行うのが現場代理人ということになります。
したがって、代理人は技術資格者的な要件はありません。さらに代理人は複数名でもいいんです。ひとりだけが代理人の仕事をすると決められているわけではないんです。
ただ、役職じゃないんで、「副代理人」なんていう肩書をつける施工会社もいますが、そんな施工会社は知識が全然不足しています。
現場の副所長というものはあっても「副代理人」という言葉がそもそもありません。

セミナー風景
セミナー風景

次に監理技術者です。工事施工計画の立案、工程管理、品質管理等の技術的な指導監督的な役割をするというのが監理技術者の要件です。
資格要件が法的に決まっていまして、1級建築士や1級建築施工管理技士等の資格者が一定の報酬を得て監理技術者ができるということになります。
ただ配置の要件が法律で決まっていまして、管理組合は発注者との契約の関わりにおいては全く関係ありません。
再下請に建築1式4500万円以上の発注をする場合、元請けの建設会社において監理技術者を置きなさいと定められています。折衝の中で監理技術者を置くか置かないかという話ではないのです。
4500万円以下の場合には、2級建築士や2級建築施工管理技士等の資格要件を定める「主任技術者」を配置するケースもあります。
専任の配置を義務付けている法的要件もありますが、常駐配置というものではありません。ほとんどの場合が兼任されています。
現場代理人で監理技術者、主任技術者、と1人が兼ねているという話になりますと、つまりその人が常駐しなさいという話になりますと、ここをごちゃまぜにしないでいると金銭的なメリットが出てくるということになります。


そこで実力のある現場代理人を選定する方法ですが、私の経験から「賭けをする」ことをやめていただきたいと思います。1級じゃなければとか、○○じゃなきゃだめとか、それに固執するあまり会社を選ぶところまでつなげない方がいいということです。
主な内容を別表にまとめました。
ヒアリング時に技術者の離職率を聞く管理組合もありますが、ここは大切なポイントです。同業他社へ渡り歩く人も結構いるんですね。
会社の実績が蓄積されているかどうか、会社の環境が整っているかどうか見極めるポイントでもあります。
会社の方向性においても、あいまいなものは教育も充実しません。教育は継続性が最も大事です。先輩から後輩に受け継がれるもの、去年やった失敗を今年に生かす、成功例が次のステップアップとなる、こうしたものは会社の方向性に所以するものです。
現場代理人と監理技術者を各々配置するという手もあります。規模の小さなマンションで同時に求めることは賭けをすることになります。こうした提案をすることもありますね。
100か0かという選び方ではなく、70 ~ 80という選定の仕方がより確実で安定した実力のある現場代理人に当たるということを認識してもらうことが重要だと思います。

より確実で安定した実力のある現場代理人を選定する方法

○ある程度の従業員数と規模のある会社を選定する
⇒一定割合の分布を考慮すると分母は必要である(従業員数が多ければ資格技術者の比率も高くなる)
○特に技術者の離職率が低い会社であるかどうかを確認する
⇒蓄積された会社の実績が各現場代理人へ教育されている環境が整っている
○会社の方向性がハッキリしている
⇒リニューアルに特化するのか、新築もするのか等あいまいでは教育も充実しない(社会の景気によって新築専門の会社がリニューアル工事をしたり、しなかったり…)
○会社の組織としての技術の監理をする部署が重層的に存在する
⇒現場代理人を孤立させない仕組みがある:バックアップを超える概念がある(組織を超える個人はいない。個人によってやり方が違う、個人に成功も失敗も押し付ける組織では、よい代理人が育たない)
○現場代理人と監理技術者の区別をハッキリつけて各々の仕事を有意義にしてもらう
⇒現場代理人は対応の良い人、監理技術者は技術的能力に長じた人、各々を別々に配置する
○現場代理人は愛社精神のある人が良い
⇒?組織の一員、会社の一員としての自覚が責任感につながる(会社を渡り歩く人がいる)

(大規模修繕工事新聞 2014-2.5 No.50)


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