Q 置き配サービスが浸透、許可するための留意点は?
「在宅勤務で手が離せない」「対面での受け取りをしたくない」…コロナウイルス対策として置き配という非対面で荷物の受け取りができるサービスが浸透してきたため、うちのマンションでも共用部分に置き配を許可しようという声が上がっています。
なにか留意点があれば教えてください。
住民間トラブル避けるためにも 具体的方法は使用細則を根拠に
共用部分に荷物を置くことは原則として認められませんが、宅配ボックスがエントランスに設置されていない場合など、例外的に共用部分への置き配を認めるには、長期間の放置や大量・乱雑な放置等により、災害時の避難の支障とならないよう留意する必要があります。
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置き配とは、受取側が、玄関前等あらかじめ指定した場所に荷物を届けてもらうサービスです。不在時だけではなく、在宅で手が離せない場合なども利用することが可能ですし、非対面で受け取りができるので、コロナ禍において人との接触を極力避けたいというニーズにも合致するものと言えます。
このように便利なサービスですが、基本的にマンションの共用部分に私物を置くことは使用細則違反になり得ます。また、防犯面においても、共用部分に配達物が置かれたままになっているという状態は避けるべきです。
そこで、マンションにおいて置き配の利用を認める場合は、使用細則において、具体的な方法等をルール化し、あくまで例外的に認められるものとして規定することが必要です。
特に長時間の放置や大量・乱雑な放置等によって火災等が起きた場合に避難の支障となってしまうことは避ける必要がありますので、このような点に留意してルール化する必要があります。
なお、通常、使用細則の制定・変更は、総会の普通決議をもって行います。
使用細則でルールが決まったら、居住者に周知してしっかり守ってもらい、災害時の安全性の確保、住民間トラブルにならないように運用していきたいものです。
話は変わりますが、新型コロナウイルスの感染症拡大により、その対策の必要性を踏まえ、マンション内でも感染症の感染拡大のおそれが高いと認められた場合に、管理組合(理事会)が主導して集会室など共用部分の使用の一時的な停止・制限をすることが考えられます。
ただし、無作為に使用禁止などとしても居住者に理解を得られるかわかりません。そこで、このような場合も使用細則にルールを設けて、それを根拠とすることが勧められます。
■マンション標準管理規約(単棟型)コメント
【令和3年6月22日改正】
〇 感染症の感染拡大のおそれが高いと認められた場合における共用施設の使用停止等を使用細則で定めることが可能であることを記載
(第18条関係コメント①)
・ マンション内における感染症の感染拡大のおそれが高いと認められた場合において、使用細則を根拠として、居住者による共用部分等の使用を一時的に停止・制限することは可能であると考えられ
る。
〇 置き配を認める際のルールを使用細則で定めることが考えられることを記載
(第18条関係コメント④)
・ 専用使用部分でない共用部分に物品を置くことは原則として認められないが、宅配ボックスが無い場合等、例外的に共用部分への置き配を認める場合には、長期間の放置や大量・乱雑な放置等により避難の支障とならないよう留意する必要がある。
(大規模修繕工事新聞 152号)
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