「大規模修繕工事新聞」は、一般社団法人 全国建物調査診断センターが発行するマンションの適正な管理に役立つ管理組合向けのフリーペーパーです。首都圏、関西圏の約30,000の管理組合に直接、無料で発送しています。また、同じ内容のメルマガ版は登録いただいた方に無料配信しています。当HPでは、「大規模修繕工事新聞」の過去から現在に至るまで、全ての記事を収録していますから、マンションの大規模修繕工事に関する情報やマンション管理組合に関する情報を左下の検索窓からキーワードを入れるだけで必要な情報を得ることができます。

第三者管理方式で「コミュニティ」条項の削除に反発広がる

「コミュニティ」条項の削除に反発広がる

国土交通省では平成24年1月から、「マンションの新たな管理ルールに関する検討会」(座長:福井秀夫・政策研究大学院大学教授)を立ち上げ、同年8月まで9回の会合を開きました。
内容としては、理事会方式が機能しない管理組合を対象に、区分所有者以外の第三者による適正な管理の実施を担保するための業務運営の枠組みづくり、専門家を活用した管理組合の運営に対応した標準管理規約の整備等を検討するものでした。
理事会方式が機能しない管理組合とは、区分所有者の高齢化、外部所有者の増加による賃貸化により、総会出席率の低下、役員のなり手不足が問題となっているマンションをイメージしています。こうしたマンションでは、特定の区分所有者に負担が偏り、管理活動自体が形骸化してしまう問題が生じます。
そこで専門家を活用した「第三者管理方式」の検討をはじめたのでした。

明海大学で行われたシンポジウム。マンション管理組合関連4団体の長が壇上に並び、共同提言を行った。
明海大学で行われたシンポジウム。マンション管理組合関連4団体の長が壇上に並び、共同提言を行った。

しかし、事態は思わぬ方向に展開していきます。平成24年8月の第9回検討会以降2年が経とうとしていますが、検討結果も出さないまま会合は開かれていません。

その理由については、検討会の主力委員らが「管理組合は財産管理団体」であるとしてマンション標準管理規約第27条、第32条の「コミュニティ」条項の削除を議論の中心に持ってきたことにあります。
検討会への反発は広がりました。
全国マンション管理組合連合会(全管連・山本育三会長)は平成25年3月、太田昭宏国土交通大臣と面談、第三者管理に反対の申し入れを行いました。
マンション管理業協会(マン管協・山根弘美理事長)も同年4月、太田大臣に対して「マンションに安心・安全で長く住まうための要望」を提出し、「管理組合による地域を含めたコミュニティ活動を支援してほしい」と述べました。

同年10月には、千葉・浦安の明海大学で全管連、マン管協、日本マンション学会、日本マンション管理士連合会4者がマンションコミュニティに関する共同提言を発表しました。

問題は、主力委員らが「管理組合は財産管理団体」と決めつけて議論を進めたことにあります。
管理組合の基本は区分所有者が管理運営の執行機関として理事会を組織し、その理事会が実際に活動していく「理事会方式」です。現に理事会方式で問題なく運営して
いるマンションがほとんどで、それに沿ってマンション標準管理規約も発表されているわけです。
ところが、主力委員らの議論の流れでは、「管理はプロに任せるべき」「コミュニティは管理組合ではなく、自治会の仕事」という主張が強くなり、基本の理事会方式はないものとして「第三者管理方式」の種類をいかにまとめるかという点に終始してしまいました。
その結果、「マンション標準管理規約からコミュニティ条項を取っ払え」ということになり、各方面から非難を受け、検討会が2年間も停滞することになっています。
国土交通省によると、検討会はあくまで「停滞中」ということのようですが、一方で9回行った検討会の議論は「行政の他の施策に生かしていきます」とも話しています。

(大規模修繕工事新聞 2014-7.5 No.55)


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA