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大規模修繕工事検討の第1歩は… 設計コンサルタント選びから!

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大規模修繕工事を計画・検討するに当たって、最初に何をすればいいのでしょうか?初めて管理組合の理事になり、「大規模修繕工事の計画年です」と言われても戸惑うことばかり…。そこで大切になるのが管理組合のパートナー選びです。調査から施工まで管理会社等に「すべてお任せ」という責任施工方式で工事を実施する管理組合も多いようですが、1級建築士など第三者の設計コンサルタントをパートナーとする設計・監理方式を採用することで満足の行く工事ができたというケースも多くあります。そんな管理組合の声を取り上げてみました。

コンサルタントのおかげで 納得した工事と住民交流ができた!

Aマンション(築15年44戸)理事長 

58-05-31級建築士の先生と出会えたことが大きかった。
輪番制で役員が回ってきて理事長になった。引継ぎの際にそろそろ修繕工事を実施する時期と言われたが、何をどうしていいかわからない。インターネットでマンション管理組合の団体を見つけて相談に行き、「まずは建物の劣化状況の診断を」という話になった。
そこで初めてマンションの修繕工事に経験豊富な1級建築士を紹介してもらい、大規模修繕工事を実施する上での流れなどを説明してもらった。
実は、住民の中に知り合いの工務店を介して強引に工事を進めしてくれた。
不具合状況を全戸のアンケート調査で把握したり、随時広報を出すようアドバイスしてもらったことで、工事前より住民同士であいさつや会話を交わす人が多くなった。
理事会でもみんなで意見を出し合う雰囲気ができて、すべては1級建築士がコンサルタントを務めてくれたおかげで納得した工事とともに、住民交流ができたと喜んでいる。

 

長期修繕計画を見直し 修繕工事の周期を延長

 Bマンション(築23年280戸)長期修繕計画委員会委員長

58-05-12回目の大規模修繕工事を行う前に長期修繕計画委員会を理事会の下部組織として立ち上げ、初めて設計事務所にコンサルタントを依頼した。
これまでの長期修繕計画(長計)も1回目の大規模修繕工事も管理会社任せで行っていたが、住民の高齢化もあり、将来的な資金計画を立てるためにも、今おカネをかけて精度の高い長期修繕計画への見直しを敢行したのだ。
新たに出来上がった30年の長期修繕計画は水回りやエレベーター、機械式駐車場などの設備工事が組み込まれており、今後は修繕積立金の段階的値上げを行っていかなければならないことがわかった。
ただ、新たな長計の作成を手がけた設計事務所から、建物の構造はプレキャストコンクリート造(=PC造。あらかじめ工場で鉄筋コンクリートの壁、スラブでの面材を製作し、これを現場で組み合わせてつくる構造)で状態が非常に良いという診断を得た。同時に2回目の大規模修繕工事の実施を5年延長してはどうかというアドバイスももらった。
それで修繕工事の周期を延ばし、その間に修繕積立金値上げの合意形成を優先しようということになった。
今後、長期修繕計画委員会を常設し、設計事務所とも顧問契約を結んで、マンションにとって最適な維持管理と資金計画を行っていこうと思う。

会社より現場代理人の選定が重要 設計コンサルの業界実績が物言う

Cマンション(築12年66戸)修繕委員会委員長

58-05-2 今回の工事に当たって、一番頭を悩ませたのは工事業者の選定だった。どの業者がよいのかさっぱりわからない。
漠然と健全経営・改修工事実績・総合技術力・アフター対応力を工事業者に求めればよいと思ったが、設計コンサルタントからは「実際に工事を取り仕切る現場代理人こそ重要」と教えてもらった。
優秀な現場代理人(仕事の先を読んで工事の段取りができる、作業員に指示通りの作業をさせることができる、住民対応が的確で早い)には、優秀な職長や作業員がついていることが多く、現場の良し悪しは代理人で決まるといっても過言ではないという。
こんな現場代理人を見極め、引っ張ってこられるのは業界の専門家でなければ難しいだろうと思う。これだけでも設計コンサルの、マンション改修業界における実績は必要だと感じた。

率直に業界に顔が効くのかどうか―ド素人の管理組合が直接工事業者と話をするだけでは舐められて当然。相手は営利企業で、業界のプロフェッショナル。だからこちら側にも第三者のプロは必要なのだ。
結果として、優秀な現場代理人が来てくれて非常に感謝している。住民から…特に日中に在宅する主婦や高齢者からは「現場代理人が住民に対しても気さくに受け答えをしてくれた」「工事の人は怖いイメージだったが、実際の職人がみんな非常に愛想がよい」など、現場作業員に対する高評価を受けた。

(大規模修繕工事新聞 No.58)


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