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「コミュニティ条項削除」は不適切

yomoyamahanashi「コミュニティ条項削除」は不適切

NPO日本住宅管理組合協議会/集合住宅管理新聞『アメニティ』2015年7月5日付第394号「論談」より

◇ 実態を考慮しない標準管理規約改正案
「マンションの新たな管理ルールに関する検討会」報告書の問題点のうち、今回は「コミュニティ条項」の削除を取り上げる。
報告書は削除理由として管理組合が財産管理団体であることと自治会費の徴収の問題とをあげているが、これは、物事の見方が非常に狭く、実態に合わず適切ではない。
管理組合が財産管理団体であることは、区分所有法が定めているとおりである。しかし、単なる財産管理団体ではない。基本的には、区分所有者が当該のマンションに住み、暮らしを営みながら、互いの人間関係を作り上げ、地域の共同社会を作り上げている。この共同社会こそコミュニティであり、自らの住む環境を、ハードもソフトもともに快適に保ちながら、マンションの建物の管理を
行っているのである。ハードとしての建物さえ維持されればよいというものではない。
現にそのことは、区分所有法第6条が、ペット飼育の可否や居住以外の住宅使用の制限範囲などをはじめ、専有部分の使用による区分所有者相互関係の基本を規約や使用細則が決めていることで明確にしている。このように住生活の環境整備は、建物の維持管理とともに、区分所有者(居住者)間の良好なコミュニティの存在が不可欠なのである。
報告書が「コミュニティ条項」削除の理由としている自治会費の徴収問題は、管理組合と自治会の性格の相違に応じた対応をキチンとすればよいだけのことである。
裁判例は、任意団体の自治会費を管理組合が強制的に集めるのは違法だとは言っているが、管理組合のコミュニティ活動そのものを否定することなど全く述べていない。
それを報告書は「マンションの管理とは関係ない、あるいは管理との関係性の薄い業務や活動に対し、例えば、マンションの合意形成の環境づくりといった理由から、管理費を支出できるという規約を総会で決議すれば、後に、その決議は違法無効」だとか、「一方、管理組合の役員等が、現行の規約の解釈運用で管理と関連性の薄い業務・活動に対する管理費からの支出を行えば、運用し役員等に違法な支出についての個人責任や損賠賠償責任が生じる恐れあることに、区分所有者は十分留意する必要がある」などという「注意喚起」の文言を「標準管理規約コメント」に記載するべきだと述べ、いわば区分所有者に脅しをかけている。
コミュニティ関係の行事を行ったり、費用を支出したからといって違法になる何の根拠もなく、もちろん判例もないことはいうまでもない。
このような事実に反する根拠による脅迫的な言辞を弄しながら「コミュニティ条項」の削除を押しつけようとする報告書の一方的な主張に反対し、同条項の維持を強く求めるものである。 (論説委員会)

(大規模修繕工事新聞 第68号)


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