マンション管理適正化法・マンション建替え円滑化法の改正案が2月28日、閣議決定され、国会に提出されました。マンションの老朽化を抑制し、周辺への危害等を防止するための維持管理の適正化や、老朽化が進み維持修繕等が困難なマンションの再生に向けた取り組み(地方公共団体の役割)の強化を目的としています。
(大規模修繕工事新聞 124号)
法案の概要
マンション管理適正化法の改正マンション建替円滑化法の改正
マンション管理の適正化の推進マンションの再生の円滑化の推進
◆国による基本方針の策定
国土交通大臣は、マンションの管理の適正化の推進を図るための基本的な方針を策定
◆地方公共団体によるマンション管理適正化の推進
地方公共団体による以下の措置を講じる
○マンション管理適正化推進計画制度
基本方針に基づき、管理の適正化の推進を図るための施策に関する事項等を定める計画を策定
○管理適正化のための指導・助言等
管理の適正化のために、必要に応じて、管理組合に対して指導・助言等
○管理計画認定制度
適切な管理計画を有するマンションを認定
マンション建替円滑化法の改正
マンションの再生の円滑化の推進
◆除却の必要性に係る認定対象の拡充
除却の必要性に係る認定対象に、現行の耐震性不足のものに加え、以下を追加
① 外壁の剥落等により危害を生ずるおそれがあるマンション等
・4/5以上の同意によりマンション敷地売却を可能に
・建替時の容積率特例
②バリアフリー性能が確保されていないマンション等
・建替時の容積率特例
◆団地における敷地分割制度の創設
上記①等の要除却認定を受けた老朽化マンションを含む団地において、敷地共有者の4/5以上の同意によりマンション敷地の分割を可能とする制度を創設
主な改正案
(1)マンション管理適正化法関係
[1]国による基本方針の策定
○ マンションの管理の適正化の推進を図るための基本的な方針を策定
[2] 市区(町村部は都道府県)によるマンション管理適正化の推進
○ 基本方針に基づき、マンションの管理の適正化の推進を図るための計画(マンション管理適正化推進計画)を策定(任意)
○ 管理の適正化のために、必要に応じて、管理組合に対して指導・助言等を実施
○ マンション管理適正化推進計画を策定した場合に、管理組合が作成する個々のマンションの管理計画を認定
(2)マンション建替え円滑化法関係
[1]除却の必要性に係る認定対象の拡充
○ 除却の必要性に係る認定対象に、現行の耐震性不足のものに加え、外壁の剝落等により危害を生ずるおそれがあるマンション、バリアフリー性能が確保されていないマンション等を追加
[2]団地における敷地分割制度の創設
○ 要除却認定を受けた老朽化マンションを含む団地において、敷地共有者の4/5以上の同意によりマンション敷地の分割を可能とする制度を創設
【目標・効果】
管理組合による適正な維持管理の促進や建替え・売却による更新の円滑化により、マンションストッ
クやその敷地の有効活用を図る。
(KPI)
○ 25年以上の長期修繕計画に基づく修繕積立金額を設定している分譲マンションの管理組合の割合:約54%(H30)→70%(R7)
○マンションの建替え等の件数(S50からの累計):325件(H30)→約500件(R7)