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マンション設備の改修 <事例と解説> マンション設備のこぼれ話

日本で緊急事態宣言発令 でも感染者少ない理由は…

 全世界的に新型コロナウィルスが蔓延し、日本でも4月7日に緊急事態宣言が発令されました。住民の外出自粛、臨時医療施設の土地や建物の強制使用、学校や福祉施設、娯楽施設の使用停止、
各種イベントの中止など、やむを得ないと思う反面、やりきれない思いも皆様はお持ちではないでしょうか。
 厚生労働省の発表によると、日本国内の感染者数は4月20日時点で10,751人(クルーズ船除く)。国外の感染者数は、アメリカが約75万人、スペインが約20万人、イタリアが約18万人、ドイツが約
14万人、何故か感染元の中国が8万人強でとどまっています。人の移動が多い国は、感染が発生するのはやむを得ないと思いますが、日本は先進国の中で感染者が極端に少ない数字になっています。
 日本で緊急事態宣言が出されたとはいえ、日本の感染者数が他国より少ないのは、医療崩壊を起こさないように、国民が自ら活動行動を自粛し、全数検査を行っていないという面もありますが、以
下が要因ではないかと考えます。
 ・ 大きな震災、災害を何度も経験しており、パニックを起こすと、かえって状況が悪くなることを国民が知っている。
 ・ 国民が行政の広報に協力的であり、従おうとする考え方がある。
 ・ 公共施設、大規模施設、ビル、マンション、各家庭が清潔で、給排水設備もきれいに保たれている。
 ・ トイレ後や帰宅後に手洗いをする習慣が当たり前になっている。
 皆様がお住まいのマンションは、共用部分のメンテナンスは管理会社に委託して、定期的に清掃、洗浄、消毒をしています。水道局から配水される飲料水は安全で、配管も水道用鋳鉄管が敷設され
ています。
 飲料用水槽は年1回以上、規定された方法で清掃消毒が行われ
ており、水槽清掃作業員は検便検査を定期的に受けた者が作業す
ることになっています。作業員が水槽内で泳ぐ、という話がありまし
たが、言語道断です。
 排水管も、排水管トラップが100%設置されており、年に1回以上定期洗浄を行い、異物があった場合は除去され、トラブルが発生しにくいようメンテナンスが実施されています。
 専有部分内は各住民の管理になります。私は仕事柄、専有部分内を調査することが多いですが、私の見る限り、分譲マンションにお住まいの方は、水回りは清潔にされている方がほとんどです。
 収納庫には、洗剤、除菌スプレー、洗浄スプレー、消臭剤等が必ず保管されています。「そうしたものがないお宅がない」というぐらいです。日本で感染者数が少ないのは、日本人は水回りを清潔にする、清掃する、片づける、という習慣が、小さい時から教育されているからではないでしょうか。
 これは全くの想像ですが、先進国で「国別感染者数が少ない≒トイレが衛生的」ではないか?と少しだけ思っております。根拠はありません。
 ちょうど10年前に「トイレの神様」という歌が流行りました。歌詞は小学生の女の子がトイレをきれいにしたらべっぴんになれる、とおばあちゃんに教えられる内容です。そうなのかな?という感じで
聞き流しておりましたが、今思えばそんな意識付けが、日本を世界的に優良な衛生国家にしているのかも知れません。
 機会があれば、セミナーで「マンションの給排水設備の衛生について」という話ができればと思います。
 ちなみに建築業界では、給排水設備工事を「衛生設備工事」と呼んでいます。

大規模修繕工事新聞(125号)